芸能

立川談幸 「寄席の高座」に復帰した談志唯一の内弟子

立川談幸の魅力は?

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、大学卒業とともに立川談志の内弟子となり、一門とともに落語協会を脱退、2015年からは落語芸術協会に加わった立川談幸(たてかわ だんこう)について解説する。

 * * *
 3年半前、立川流に「事件」が起きた。2014年末の理事会で立川談幸の脱会が承認され、翌2015年1月に談幸は落語芸術協会に移籍したのだ。2014年に還暦を迎えた談幸は、師匠談志の死から3年経って一区切りというタイミングでもあったことから、「寄席の高座に上がりたい」という理由で芸協入りを決めたのだった。

 談幸と言えば一門で唯一内弟子修業を経験、談志の覚えもめでたく「完璧な前座」と言われた男。それだけに当時このニュースは驚きをもって受け止められたが、今では談幸が芸協の寄席に出るのも当たり前の光景となった。昨年7月には浅草演芸ホールで初のトリも務めている。

 5月23日、横浜市神奈川区民文化センターかなっくホールで、その談幸の独演会を観た。

 1席目は『死神』。ラスト、蝋燭の部屋の場面では、寿命が尽きようとしている主人公の男が、拾った燃えさしに火を移すことに成功。死神に「捨てた女房子供とヨリを戻すか」と訊かれた男が「冗談じゃない、千両あるんだ、若い女を囲って面白おかしく暮らすよ」と答えると、死神は「所詮お前はそういう人間か。お前のせいで俺は死神を辞めさせられて火伏せの神に回された。初仕事の相手がお前になるとはなぁ……火の用心……」と言いながら蝋燭の炎を吹き消し、そのまま男が倒れるという独特な見立てオチ。

 2席目は腰元彫り(刀剣付属物の彫金)の名人譚『横谷ミン貞』。古今亭志ん生・志ん朝親子が『宗ミンの滝』として演じた講釈ネタだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

NHK次期エースの林田アナ。離婚していたことがわかった
《NHK林田アナの離婚真相》「1泊2980円のネカフェに寝泊まり」元旦那のあだ名は「社長」理想とはかけ離れた夫婦生活「同僚の言葉に涙」
NEWSポストセブン
被害者の平澤俊乃さん、和久井学容疑者
《新宿タワマン刺殺》「シャンパン連発」上野のキャバクラで働いた被害女性、殺害の1か月前にSNSで意味深発言「今まで男もお金も私を幸せにしなかった」
NEWSポストセブン
米国の大手法律事務所に勤務する小室圭氏
【突然の変節】小室圭さん、これまで拒んでいた記念撮影を「OKだよ」 日本人コミュニティーと距離を縮め始めた理由
女性セブン
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
大谷翔平の妻・真美子さんを待つ“奥さま会”の習わし 食事会では“最も年俸が高い選手の妻”が全額支払い、夫の活躍による厳しいマウンティングも
女性セブン
公式X(旧Twitter)アカウントを開設した氷川きよし(インスタグラムより)
《再始動》事務所独立の氷川きよしが公式Xアカウントを開設 芸名は継続の裏で手放した「過去」
NEWSポストセブン
現役を引退した宇野昌磨、今年1月に現役引退した本田真凜(時事通信フォト)
《電撃引退のフィギュア宇野昌磨》本田真凜との結婚より優先した「2年後の人生設計」設立した個人事務所が定めた意外な方針
NEWSポストセブン
広末涼子と鳥羽シェフ
【幸せオーラ満開の姿】広末涼子、交際は順調 鳥羽周作シェフの誕生日に子供たちと庶民派中華でパーティー
女性セブン
林田理沙アナ。離婚していたことがわかった(NHK公式HPより)
「ホテルやネカフェを転々」NHK・林田理沙アナ、一般男性と離婚していた「局内でも心配の声あがる」
NEWSポストセブン
中森明菜復活までの軌跡を辿る
【復活までの2392日】中森明菜の初代音楽ディレクターが語る『少女A』誕生秘話「彼女の歌で背筋に電流が走るのを感じた」
週刊ポスト
世紀の婚約発表会見は東京プリンスホテルで行われた
山口百恵さんが結婚時に意見を求めた“思い出の神社”が売りに出されていた、コロナ禍で参拝客激減 アン・ルイスの紹介でキャンディーズも解散前に相談
女性セブン
真美子夫人は「エリー・タハリ」のスーツを着用
大谷翔平、チャリティーイベントでのファッションが物議 オーバーサイズのスーツ着用で評価は散々、“ダサい”イメージ定着の危機
女性セブン
猛追するブチギレ男性店員を止める女性スタッフ
《逆カスハラ》「おい、表出ろ!」マクドナルド柏店のブチギレ男性店員はマネージャー「ヤバいのがいると言われていた」騒動の一部始終
NEWSポストセブン