ビジネス

セクハラ、パワハラの温床になる組織にメス入れる3つの方法

◆セクハラ、パワハラの温床に

 このような職場のなかでは、どうしても公私混同が起きやすい。上司は部下に対して仕事に必要な以上の要求をしがちになるし、部下は不当な要求をされても拒否しにくい。そして、ハラスメントの被害を受けても告発することは難しい。へたをすると「おきて破り」「裏切り者」として共同体から排除されかねないし、たとえ法的に地位が守られたとしても、人間関係で動く組織の中で働き続けるには相当の覚悟がいる。

 組織ぐるみの不祥事を起こした大企業や役所では、内部通報制度がありながら活用されなかったケースが多いが、それは共同体型組織のなかで声を上げることがいかに困難かを物語っている。

 オフィスの環境にも問題がある。大部屋で仕切りがない日本のオフィスでは、プライバシーが保てない。そのため、どうしても人間関係が濃密になりすぎる。

 このように、共同体型の組織に特有な制度や慣行がハラスメントの温床となっていることは明らかだ。さらにやっかいなのは、悪気のない、いわば善意から出た言動であっても、しばしばハラスメントになりうるということである。

 かつては、管理職は部下を食事や飲みに連れて行くのが当たり前であり、管理職手当にはその費用が含まれているといわれたものだ。また上司は部下の家庭環境や経歴、健康状態などを把握し、一人ひとりの事情を配慮して管理することが望ましいといわれた。

 しかし、今では逆にハラスメント扱いされたり、プライバシーへの不当な介入と見なされたりしかねない。

 こうしてみると、長年にわたって維持されてきた共同体型の組織もいよいよ「賞味期限」が切れたといえるのではなかろうか。

関連記事

トピックス

割れた窓ガラス
「『ドン!』といきなり大きく速い揺れ」「3.11より怖かった」青森震度6強でドンキは休業・ツリー散乱・バリバリに割れたガラス…取材班が見た「現地のリアル」【青森県東方沖地震】
NEWSポストセブン
前橋市議会で退職が認められ、報道陣の取材に応じる小川晶市長(時事通信フォト)
《前橋・ラブホ通い詰め問題》「これは小川晶前市長の遺言」市幹部男性X氏が停職6か月で依願退職へ、市長選へ向け自民に危機感「いまも想像以上に小川さん支持が強い」
NEWSポストセブン
3年前に離婚していた穴井夕子とプロゴルァーの横田真一選手(Instagram/時事通信フォト)
《ゴルフ・横田真一プロと2年前に離婚》穴井夕子が明かしていた「夫婦ゲンカ中の夫への不満」と“家庭内別居”
NEWSポストセブン
二刀流かDHか、先発かリリーフか?
【大谷翔平のWBCでの“起用法”どれが正解か?】安全策なら「日本ラウンド出場せず、決勝ラウンドのみDHで出場」、WBCが「オープン戦での調整登板の代わり」になる可能性も
週刊ポスト
高市首相の発言で中国がエスカレート(時事通信フォト)
【中国軍機がレーダー照射も】高市発言で中国がエスカレート アメリカのスタンスは? 「曖昧戦略は終焉」「日米台で連携強化」の指摘も
NEWSポストセブン
テレビ復帰は困難との見方も強い国分太一(時事通信フォト)
元TOKIO・国分太一、地上波復帰は困難でもキャンプ趣味を活かしてYouTubeで復帰するシナリオも 「参戦すればキャンプYouTuberの人気の構図が一変する可能性」
週刊ポスト
世代交代へ(元横綱・大乃国)
《熾烈な相撲協会理事選》元横綱・大乃国の芝田山親方が勇退で八角理事長“一強体制”へ 2年先を見据えた次期理事長をめぐる争いも激化へ
週刊ポスト
2011年に放送が開始された『ヒルナンデス!!』(HPより/時事通信フォト)
《日テレ広報が回答》ナンチャン続投『ヒルナンデス!』打ち切り報道を完全否定「終了の予定ない」、終了説を一蹴した日テレの“ウラ事情”
NEWSポストセブン
青森県東方沖地震を受けての中国の反応は…(時事通信フォト)
《完全な失敗に終わるに違いない》最大震度6強・青森県東方沖地震、発生後の「在日中国大使館」公式Xでのポスト内容が波紋拡げる、注目される台湾総統の“対照的な対応”
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の高場悟さんに対する”執着”が事件につながった(左:共同通信)
《名古屋主婦殺害》「あの時は振ってごめんねって会話ができるかなと…」安福久美子容疑者が美奈子さんを“土曜の昼”に襲撃したワケ…夫・悟さんが語っていた「離婚と養育費の話」
NEWSポストセブン
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
《悠仁さまとの差》宮内庁ホームページ“愛子内親王殿下のご活動”の項目開設に「なぜこんなに遅れたのか」の疑問 皇室記者は「当主の意向が反映されるとされます」
週刊ポスト
優勝パレードでは終始寄り添っていた真美子夫人と大谷翔平選手(キルステン・ワトソンさんのInstagramより)
《大谷翔平がWBC出場表明》真美子さん、佐々木朗希の妻にアドバイスか「東京ラウンドのタイミングで顔出ししてみたら?」 日本での“奥様会デビュー”計画
女性セブン