「薬を体内で代謝し排出する肝臓や腎臓の機能は加齢により低下します。つまり、高齢者ほど薬の副作用は顕著になる。多くの薬を併用すれば、それだけ副作用が起こりやすくなります。
ところが、私が訪問診療で診ている認知症患者のなかには、1日10種類以上の薬を飲んでいる人も珍しくない。服用している薬が多いほど、薬の副作用が疑われたとしても、どの薬が原因なのか特定しづらいというリスクもあります」
本誌・週刊ポスト8月10日号(7月30日発売号)では、堀氏ら専門家への取材をもとに、「体調不良」と混同しがちな副作用の初期症状と、その原因となる薬をまとめた一覧表を掲載している。
例えば、「頭がボーッとしてやる気が出ない」という症状は低血糖が疑われ、糖尿病薬の「エクア」や「グラクティブ」、「ジャヌビア」などや高血圧薬の「オルメテック」「ミカルディス」、うつ病薬の「ジプレキサ」といった薬の副作用である可能性がある。
同様に、「胃の痛みや吐き気が続く」という症状は心筋梗塞が疑われ、一部のがんの薬や関節リウマチ薬などの副作用が出ている可能性がある。