戸谷次官からの一斉送信とそれに連なる返信のやり取りがなされた宛先には立憲民主党の議員や、谷口被告と親しい電気通信関連会社社長の名前も含まれている。“政・官・業”のメンバーが揃った会合が行なわれていたように見える。
現在、そのメールは一部を伏せ字にしたかたちでインターネット上にも出回り始めているが、一斉送信の宛先に改めて取材依頼を送るとそのうちの一人から返信があり、戸谷次官が参加した宴席がたしかにあったと回答した。
〈正面に座っていたのが戸谷さんだったのは覚えています〉〈会話は科学技術系のことだったと思いますが、内容までは記憶にありません〉
この会合で何が話し合われ、その費用を誰が負担したのか。戸谷氏を自宅前で直撃すると、「何もお答えできません」と言って足早に迎えのタクシーに乗り込んだ。
すでに特捜も戸谷次官へ任意の聴取を行なうなど、疑惑の連鎖は、収束の気配が全く見えない。
●取材協力/伊藤博敏(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2018年8月17・24日号