大相撲名古屋場所で初優勝を果たした関脇・御嶽海の地元・長野を含む26か所を回る夏巡業は“厳戒態勢”のなかで進められている。
「昨年10月の鳥取巡業で起きた横綱・日馬富士(当時)の暴行事件のような不祥事を繰り返さないよう、警戒モードが続いている。今回の巡業から、たばこや飲酒トラブルを防ぐため、未成年は参加させていない。加えて参加力士の単独での外出は控えさせている。もともと、夏巡業は強行日程で、連日、巡業が終わったらすぐに次の巡業地に移動する“ハネ立ち”となるため、宴席の機会も少ない。参加力士たちはかなりストレスの溜まる状況」(若手親方)
もちろん、そうしたなかでも“主役”の御嶽海は上機嫌。巡業初日の岐阜では3横綱からのお祝いの言葉に、相好を崩していた。
「ただ、稽古量が少ないことで知られる御嶽海は巡業序盤の土俵にはほとんど上がらず、拍子抜けしたファンも多かった。地元・長野への凱旋を前に、名古屋場所の疲れが残る体にムチ打つ必要はないと考えたのでしょう」(協会関係者)
結果、観客たちが目を向けたのは横綱・稀勢の里だった。8場所連続休場中ながら、巡業3日目の福井・勝山場所では、幕下と十両の力士を相手に胸を出した。
「目の肥えたファンは来場所で稀勢の里が引退に追い込まれる可能性が高いとみているのでしょう。“最後の勇姿を”とばかりにカメラやスマホが集中して向けられていた」(同前)
9月の秋場所では、御嶽海の大関獲りと並んで、稀勢の里の「進退」が一大関心事となりそうだ。
※週刊ポスト2018年8月17・24日号