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海軍歴史の謎 なぜ「大和」はレイテ湾に背を向け北上したか

深井氏が小澤中将から贈られた短刀

 戦艦「大和」の「副砲長」の任に就いていた深井俊之助氏は、大正3年生まれの104歳。部屋の中を杖もつかずに歩き、座る姿勢は背筋がピンと伸び、驚くべき記憶力で理路整然と語る。

 深井氏は戦前、海軍の通信技術者だった父親の影響から海軍兵学校に入り、終戦まで戦艦乗組員として活動した。そして、いくつかの艦を乗り継ぎ、昭和19年3月、少佐として世界最大と謳われた戦艦「大和」の副砲長を命じられた。

「昭和19年10月25日の朝、フィリピンのレイテ島に向かう途上で米空母部隊を発見し、戦闘になったとき、駆逐艦が突進してきて煙幕を張り始めた。こういう補助艦艇をつぶして、目標が見えるようにするのが私の仕事でした」(深井氏、以下「」内同)

 レイテ島は南方からの石油の中継地で、昭和19年10月に米軍は上陸を開始していた。レイテ湾の攻略では、小澤治三郎中将が指揮する囮艦隊が、ハルゼー提督の米空母部隊を外洋におびき出し、その隙に「大和」を含む栗田健男中将が指揮する艦隊が南下してレイテ湾に突入する作戦だった。

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