その後「大和」は鹿児島・坊ノ岬沖で撃沈され、乗員2740人が戦死した。
「日本は戦って負けたけれども、戦ったおかげで、米、英、蘭に植民地支配され、奴隷にされていたアジアの国々が独立できたんです。
私は少尉だったころ、ロサンゼルスに油を積みに行ったことがありますが、レストランに入ろうとしたら入店を断られたんです。『ホワイトオンリー』と書いてあった。軍服を着た海軍士官でも『イエローはダメだ。チャイニーズタウンに行け』と。アジア人に対する差別が厳然とあった。
あのとき戦ったから、差別をなくすことができたんです。その意味で、世界に貢献したという気持ちは、今でもあります」(深井氏)
●聞き手/井上和彦(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2018年8月17・24日号