ビジネス

シャイニングマンデーも時差Bizも「プレ金」の二の舞になる

今年はプレ金1周年イベントも開かれたが…(時事通信フォト)

 月曜日の午前中を休む「シャイニングマンデー」の推奨を経済産業省が検討しているという。経産省消費・流通政策課の永井岳彦課長が、

「観光地に行って月曜日の朝に帰ってくる、または子供たちと夜遅くまでテレビを見たうえで月曜日はゆっくり過ごしてから会社に来るといったような働き方ができる」

 と、テレビでその趣旨について発言している。経産省の消費・流通政策課といえば2017年2月に始まったプレミアムフライデー(以下、プレ金)の推進部署だ。月末の最終金曜日の午後3時の早帰りを促すプレ金は企業の働き方改革を促す施策として経団連も参加を呼びかけた。

 しかし、当初こそメデイアでも取り上げられ、注目を集めたが、1年後の今年2月時点でプレ金を奨励・実施している企業はわずか11.0%(インテージ調査)。今では話題にも上らないぐらい低迷している。

 そのうえ今度は月曜日の午前中の休みを奨励する作戦に打って出た。どんな意図があるのか図りかねるが、プレ金の起死回生策であることは間違いないだろう。その伏線はあった。

 昨年の9月11日。経団連の榊原定征会長(当時)が記者会見で「企業にとって月末は忙しい時期だ。『月初めにしてほしい』という声は強く、見直すとすればそのあたりになる」という発言が報道された。

 こうした実態を受けてプレ金の運営団体である「プレミアムフライデー推進協議会」は10月20日、消費喚起策してのイベント開催日は月末金曜日とするが「職場や地域、個人の実状に応じて、日程変更を推奨する」実施方針の見直しを発表した。

 また経産省のプレ金の掲示板でも実施時期について「毎月、月末金曜日を中心に実施。なお、働き方改革の観点では、職場や地域、個人の実情に応じた『月末金曜』、『15時』に限らない柔軟な取組(振替プレミアムフライデー等)も推奨」と、当初と比べてトーンダウンした表現をしていた。

 このいきさつについては経産省の担当者の発言がサイボウズの情報サイトにも掲載されている(2017年11月14日)。プレ金を推進する経産省の消費・流通政策課の林揚哲課長(当時)は、

〈私個人としては、それぞれの裁量で働きたい時に働いて、休みたい時に休めばよくて、金曜日じゃなくてもいいと思っています。プレミアムフライデーを企画した張本人が言うのもなんですが〉

 と弱気の発言をしていた。こうした経緯から、おそらく不人気の月末金曜日ではなく、曜日を変えることで参加企業を増やしたいと考えたのではないだろうか。さすがに「プレミアムマンデー」だとプレ金の失敗を認めることになるので「シャイニングマンデー」という名前をつけたのだろう。

 しかしプレ金に合わせて早帰りを促す企業は少ないのは単に曜日だけでの問題ではない。シャイニングマンデーも結局、同じ二の舞になってしまうのが落ちだ。

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン