済美と言えば、2013年の選抜で当時の2年生エース・安樂智也が決勝までの5試合計772球を投げ、高校球児に対する“酷使”として、海外メディアをも巻きむ大論争となった。故・上甲正典監督を部長として支えた中矢太監督は言った。
「愛媛の野球は粘り強く、『最後は根性』と言われますよね。もちろん、古い考えなのかもしれませんが、そういうところが高校野球が愛されている理由でもあると思います。酸素カプセルに入らせ、治療も受けている。最大限、ケアはしておりますし、山口は肩周りの筋肉が柔らかく、星稜戦の疲れはありません」
先発完投型が減りつつあるなか、山口は3回戦でも元気に121球を投げた。
●取材・文/柳川悠二(ノンフィクションライター)
※週刊ポスト2018年8月31日号