──それだけでわかったんですか(笑)。
永井:わかった、学園で子どもが楽しく暴れてる。要するに学園が舞台なら、あとはなんでもいいなと思って始めたんですよね。それで2回目の打ち合わせのとき「タイトルどうしましょう」って言われたけど全然考えてなくて。普通の学園ものじゃギャグとして成立しづらいから、なんか変なタイトルつけたいなということで、『○○学園』とか担当の方と二人で知恵絞っていろんなアイデア出したんですけど決まらなくて。で、新聞をばらばら見てたら大蔵映画の広告で、漢字で『破廉恥』って書いてあったんですね。その響きがおもしろいなと思って、これをカタカナでハレンチってやったらおもしろくないですかってことで、『ハレンチ学園』にしたんです。
──つまり内容の前にタイトルが決まって。
永井:タイトルありきでとりあえず描き始めて、途中で「まともに進めてもハレンチにならないし、ただの恋愛学園ものになっちゃうかな」と思って。だから恥知らず的な要素を入れていかねばいけないとか思い悩みながら、僕は1ページごと描いては話を転がしていくタイプなんで、全体のストーリー全然決めないで1回目のストーリーを描き始めて、まずヒロインと主人公を出しちゃおうということで、強い女の子がいたみたいな感じで印象づけといて、あとで活躍させようと思って。
──それでヒロインの十兵衛を出して。
永井:で、ふと困って「どうしようかな。ハレンチのタイトルにそぐわないな」と思ったときに、当時、一人だけアシスタントがいたんで、彼に「なんか学校でハレンチなことやったことない?」って聞いたんですよ。そしたら「あ、天井裏に忍び込んで保健室をのぞきに行ったことあるよ」ってことで、「それはおもしろい。アイデアもらっていい?」って言って、それで主人公たちが十兵衛を天井裏からのぞきに行くってことになって。