──連載初回の冒頭部分ですね。
永井:それで、のぞきに気づいた先生が、時代劇で天井裏に忍者が潜んでるみたいに槍でつつくんですけど、そのときに普通の豪傑の先生を出したら、なんか普通だなと思って。下半身を変えてみようと思って、上は豪傑だけど下は網タイツにハイヒールで描いたらギャップがひどくてね。自分でもげらげら笑って、アシスタントも大笑いしてくれるんで、これはいけるかもしれないと思って。それで描き上げて原稿を持ってってもらったら、編集者が「なんじゃこりゃー!!」って言って。
──あ、評判はよくなかったんですか?
永井:いや、「とにかく編集長からもうわけわからんということで、少なくとも網タイツとハイヒールをやめてくれ」という駄目出しがきて、「えーギャップがおもしろいんですよ」と言ったんだけど、「いやあ、どうも気持ち悪いって編集長が言うからやめてほしい」って言われて、わかりましたって言って消して、ふんどしだけにしたんですね。
──こうして丸ゴシのキャラが完成して。
永井:それが雑誌に載ったら圧倒的な人気でぶっちぎりのトップだったんですよ。もうほとんど票を独り占めみたいな。それで、そのあと読み切り漫画を全部で4本やって、その中でいちばん評判いいのを連載するって話だったんですけど、とにかく『ハレンチ学園』がすごかったから、これを連載しましょうって話になって、始めたらもう大人気で。ただ、エッチはそれほどやるつもりもなくて、女の子のかわいらしさの強調としてちょこちょこっと描いただけで、いま見るとおとなしいんですよ。なかなかいい漫画を描けてるなと思って描いてたら、「不買運動が起きてるよ」って言われて、「え、『少年ジャンプ』がなんか悪いことしたの?」って(笑)。