東京・亀戸にあるオーケー。開業当初から、可能な限り店舗用不動産を自社所有する方針でやってきた


『只今販売しておりますグレープフルーツは、南アフリカ産で酸味が強い品種です。フロリダ産の美味しいグレープフルーツは11月に入荷予定です。』

 最盛期に比べて味が劣ることや、商品の相場が例年に比べて高いことなど、購買欲を削ぐ内容でも、あらかじめ顧客への注意を促し、信頼を得ているのだ。

 その他、顧客の要望を聞く「ご意見カードなど、顧客との信頼を図る多くの取り組みが支持され、同社が2006年に発足した「オーケークラブ」の会員数は今や約444万人にのぼる(2018年3月末時点)。

 現金払いなら常に3%相当額を割引きという会員特典も支持され、お店に来る客の9割は会員になって帰るという。オーケーは、なぜこれほどの低価格を実現できるのか。二宮社長が語る。

「当社は低価格実現のため、沢山のメーカーからいろいろな商品を仕入れるのではなく、仕入れる商品を徹底して絞り込んだうえで、メーカーさんに大量発注して仕入れています。その方が、メーカーさんも嬉しいし、当社も仕入れ値を交渉しやすくなり、収益性も上がります。低価格で提供できれば顧客も喜ぶという、理想の形が作れるのです」

 例えば、チューブのからしであれば、ハウス食品社製に限定し大量発注し、その分価格を下げている。仕入れる商品は、バイヤーが商品を実際に食べたり試したりして、慎重に吟味する。

「オーケーの基本方針には、Everyday Low Priceより前に、“高品質”が付いています。これはつまり、低価格だけを追求した“安かろう悪かろう”では、顧客の満足にはつながらないということです。バイヤーが品質と価格を吟味・交渉し、自信を持っておすすめしたい商品だけを店頭に置く。私たちは、そうして見出した“価値”に対して、いかに安く提供できるか、という“割安感”に重きを置いているのです」(二宮社長)

 これは肉や魚などの生鮮品にもいえる。国産黒毛和牛は、高品質のA4ランクを1頭丸ごと買い付け、さまざまな部位がリーズナブルな価格で店頭に並んでいる。しかも、仕入れの際、A5ランクを買い付けできることもあるが、価格はA4ランクの価格で据え置きというから嬉しい。

 鮮魚も同様だ。2017年12月から販売を開始した「マイナス50℃超低温流通まぐろ」(一部の小型店では未取り扱い)は、漁船で鮮魚を急速冷凍し、店に運ばれるまで一貫してマイナス50℃の状態で商品を保存できる仕組みを構築。

 店頭での解凍時も、できるだけ商品が傷まないよう専門家の意見を反映したマニュアルも作成したという。

 店頭に並べるタイミングは、顧客が商品を購入してから、夕食時にいちばんおいしい状態で食べられるよう、食卓に出るまでの時間を逆算して店頭に出すという徹底ぶりだ。

※女性セブン2018年9月6日号

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