だが、前出の記者は「それでも打者・大谷が最有力」と力説する。
「野手として常時出場している両者と比べると総合的な成績は見劣りするが、大谷の長打力が全米に与えた衝撃はものすごい。投手として4勝を挙げたことを加味しなくても、新人王にふさわしい」
打者専念でも「MLBの至宝」になれるという見方だが、大谷の同僚でメジャー最強打者のマイク・トラウトは、本誌の取材にこう答えた。
「100マイル(160キロ)のボールを投げ、450フィート(137メートル)のホームランを打てるヤツが他にいるかい? ベースボールというスポーツに、大谷という男はなくてはならない存在だ」
MLBのスター選手も巻き込む「打者専念か二刀流継続か」の論争はシーズンオフまで続きそうだ。
●取材協力・出村義和(ジャーナリスト)
※週刊ポスト2018年9月21・28日号