野菜炒めや焼き魚など、調理工程がシンプルで、食材のアレンジも自在な定番料理。つい惰性で作っていませんか? プロの勘どころ、手際を、技術がなくても家庭でまねしやすいよう伝授!
◆パラリとした炒飯を作るには?
創業100年近い歴史を持ち、近所の東大生の胃袋をつかんで行列が絶えない食事どころ菱田屋店主・菱田アキラさん。菱田さんは、中華料理店で修業した経歴を持ち、和食ひと筋の義父と店を切り盛りしている。
そんな菱田さんは、炒飯をパラパラにするコツをこう語る。
「中華料理は手際のよさが命。食材が多いので、火を使う前に全て用意しておくのが基本。炒飯の場合、ご飯に刻んだねぎと調味料を混ぜておきます。肉を炒めたら、溶き卵を加え、半熟のうちにこのご飯を入れ、木べらでかたまりを切りながら炒めるとパラパラに」
◆魚のくさみを取るには?
【1】塩を振って放置
【2】水分を拭き取る
そんなステップを教えてくれたのは、料理人佐藤秀範さんだ。
「両面に軽く塩を振り、30分おくと汗をかいてきます。ここにくさみが出るので、キッチンペーパーなどで拭き取りましょう。この下処理が味を決めます」
◆野菜炒めをシャキッと
野菜いためがしんなりしてしまう…そんな悩みを抱えている方もいるだろう。シャキッとさせた美味しい野菜炒めを作るにはどうしたらいいのだろうか? 料理研究家中村奈津子さんはこう語る。
「長時間炒めると野菜から水分が出るので、直径20cmのフライパンならもやし1と2分の1袋分のかさを限度に、油を多めに引いて火の通りにくいものから強火で素早く炒めて。大量の場合、素材ごとに軽く炒め、最後に炒め合わせます」
◆揚げ物のタイミングを的確に
揚げ物を美味しいタイミングであげるにはどうしたらいいのだろうか?
「揚げ物をしている間に油の温度は変わりやすく、低温になると油切れも悪くなります。数百円で買える油の温度計を使えば、音や気泡の変化を見極めるよりずっと簡単です」(中村さん)
◆衣がカラッとした状態で揚げるには
「揚げた後に紙にのせると、一時的に紙が油を吸いますが、吸った油が食材に戻ります。網つきのバットにのせ、大きいものは立てるなど、揚げた物同士が重ならないように並べると、油が切れます」(中村さん)
撮影■/菅井淳子
※女性セブン2018年11月1日号