三つ巴の戦いを繰り広げている加熱式たばこ

「アイコスの日本でのユーザー数は500万人を超え、加熱式たばこを吸ったことのある人のうち、7~8割がアイコスを使用するなどシェアトップは堅持しているものの、アンドレCEOも認めているように、ユーザー数の伸びはPMIの想定よりも徐々に落ちているようです。

 その理由として、他社の加熱式製品であるJT(日本たばこ産業)の『プルーム・テック』やブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の『グロー』がじわじわとユーザーを増やし、販売競争が熾烈になったからとの見方もありますが、それだけではありません」(全国紙記者)

 アイコスの伸び鈍化は決してPMだけの問題ではなく、加熱式市場全体のパイが伸びていかないから──と同記者は分析する。確かに製品を問わず、加熱式たばこの普及を阻むハードルはいくつも待ち受けている。

 まず、これから紙巻きたばこをやめて新たに加熱式オンリーになる“乗り換えユーザー”の需要が限られていることが大きい。

 いま、加熱式たばこユーザーは紙巻きたばこの全体市場の約2割を超え、2020年には30%を占めるとする予測もあるが、そもそも日本の喫煙人口は減少の一途をたどっている。男女合わせた喫煙者率は17.9%で、喫煙人口は1880万人(2018年5月現在)と2000万人を切っている。

 おまけに、長年紙巻きたばこを習慣的に吸ってきたシニア層はなかなか加熱式に移行したがらない傾向が強いという。あるたばこメーカー関係者もこういう。

「長年たばこを吸ってきた高齢者は、『いまさら加熱式に変える意味がなく、自分の好きにさせてほしい』と考えている。仮に乗り変えたくても喫煙に機器を扱い、充電やクリーニングも必要な加熱式に不便さを感じているようだ」

 もちろん20歳を超えた若者や紙巻きのニオイが気になる喫煙女性なども新規ユーザーになり得るが、分煙よりも禁煙社会が一層進んでいきそうな現状をみると、そう多くは望めない。

 次に、繰り返される増税による価格問題は無視できない。

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