「小山からまだ回収できていない金は利息を含めて3000万円くらいはある。小山は『金がない』が口癖で、貸した金を取り立てると泣き落としをかけてくる。そのくせ『こんな仕事があるんですよ』と新しい不動産関係の仕事の話をしてくる。たまにまとまった金を返すこともあるから、面倒をみてやってたんだ。俺みたいな貧乏しているヤクザを騙す術を心得ているんだろうな」
組長の前では、カプセルホテルや温泉施設に寝泊まりする生活をしていたという小山容疑者だが、こんなこともあったという。
「今年に入ってから小山のLINEのプロフィール画像が高層マンションからの眺めを写したような写真になっていたから『お前、金も返さなくて、こんないいとこ住んでるのか』って詰めたら、『違いますよ』と。積水の事件に関係しているとマスコミに追いかけられていたから聞いても『金は受け取ってないし、自分はやっていない』という。
5月末くらいに小山から連絡があって『警視庁が来てますから、こちらには連絡しないほうがいいですよ。でもパクられてもちょっと勾留されるくらいですぐ出て来られると思いますから。俺は本当にそんなに関係していないですよ』なんて言っていた」
それ以降、小山容疑者とは連絡が取れないという。全国紙の警視庁担当記者は言う。
「去年の夏に発覚してから、警視庁の捜査は後手後手に回ってしまい、主犯格とされる小山と会社役員の男(63)を逃してしまった。特に小山は海外にまで逃してしまっているので捜査は手詰まり感があります」
警察もヤクザも煙に巻いた小山容疑者への取り調べがなければ、捜査の全容は明らかにならない。
※週刊ポスト2018年11月9日号