ベストセラー絵本作家であるのぶみさんが、初の週刊漫画に挑んだ作品として話題を呼んでいる『ごりらかあさん』(女性セブンに掲載)が、オリジナルストーリーの描き下ろし絵本として刊行された。大きな反響を呼んでいる本作にはどんな思いが込められているのか──。のぶみさんが明かす。
女性セブンでの漫画連載は次号で30回を迎える。初めての週刊連載、しかも絵本ではなく漫画を作る大変さ、そして今回出版する絵本に込めた思いとは。
「藤子不二雄Aさんが、『まずは自分が面白いと思って初めて、読者にも面白いと思ってもらえる。それ以外、漫画を作る方法はない』とおっしゃっていて、ぼくも自分が面白いと思うものを全力で精一杯作っています。その中で、『ごりらかあさん』は自分自身がものすごく笑って、泣いて、そうやって作った作品です。
週刊誌なので、すぐに次の締め切りが来るのは大変ですが、漫画を連載して、楽しいなって手応えがあったのは、今回が初めて。ごりらかあさんはとても人間らしく、感情に素直なので、描いていてストレス発散にもなります(笑い)。
絵本では、子供にもわかりやすく、たくさん笑って楽しんでもらいたい。そこで、こたろうのわんぱくさをより強調し、子供が単独で笑える言葉を羅列して、子供たちへの読み聞かせを意識しました。感動して涙するシーンもありながら、ゲラゲラ笑えるシーンもあって、涙あり、笑いありのエンターテインメントを一冊にギュッと詰め込んでいます」
のぶみさんは、読者の生の反応を見るために、定期的にイベントを開いては、発売前の絵本の原画の読み聞かせを行っている。初めて『ごりらかあさん』を大阪で子供たちに読み聞かせたところ、今までとは違う反響があったと話す。
「親子の感動シーンの直後に、ごりらかあさんが怒ってブチ切れるところがあるのですが、そこで子供たちが勢いよくドッと笑ってくれたんです。とにかく子供たちがよく笑う絵本なんですよ」
実は自身のエピソードもヒントになっているとのぶみさん。