国内

日本会議 なぜ憲法改正1000万人の署名を集められたのか

全国から2000人が集まった20周年記念大会(共同通信社)

 第二次安倍政権の6年間で急速にその勢力を拡大させた組織がある。「日本会議」なる保守系団体だ。会員は約3万8000人(2016年時点)。政界には『日本会議国会議員懇談会』があり、衆参約280人が加入している。

 2014年10月からはJR東海の葛西敬之・名誉会長(78)らが代表発起人となって「美しい日本の憲法をつくる国民の会」を結成して国民運動を展開し、わずか4年で憲法改正に賛同する1000万人以上の署名を集めた。短期間のうちにこれだけの運動体を組織したオルガナイザーは誰なのか。組織の編成も、さらには任意団体のために資金力や経理も明らかにされていない。『日本会議の正体』の著書があるジャーナリスト・青木理氏が語る。

「事務総長として組織運営を仕切っているのは椛島有三氏(かばしまゆうぞう・73)。学生運動が激しかった1960年代に宗教団体『生長の家』が設立した右派の学生組織『生長の家学生会全国総連合(生学連)』で椛島氏は活動し、日本会議の前身の『日本を守る国民会議』の事務局長になった」

 一番の謎は、どのように運動を拡大して国民に浸透し、どこまで組織の実体があるのかという点だろう。

「日本会議の活動を下支えしているのは全国約8万社の神社を傘下に置く神社本庁と右派の神道系の新興宗教団体。日本会議は独自の組織で活動しているというより、宗教右派の統一戦線と捉えた方がいい。改憲署名集めも神社の境内などで行なわれてきた」(青木氏)

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト