毎年数々の名作が誕生する「サラリーマン川柳」。そのトップ100を2014年から2017年まで見たところ、世代間ギャップを詠んだ句が格段に増えたのは2016年からである。 この世代が一体どんな世代かといえば、一つ考えられるのが、「大学に入った年にスマホが一般的だった」である。
日本でiPhoneが売り出されたのは2008年のこと。それからしばらくスマホはいわゆる「ギーク」(意識高い系のマニア)やアーリーアダプター(新商品・サービスの初期採用者)向けのものだった。2010年にツイッターブームがやってきて、2011年の東日本大震災でツイッターの有用性が広く喧伝されたことなどからスマホは一気に大普及する。
2011年ないしは2012年に大学に入った現在のヤング社会人はスマホがあったため、やりとりはLINEやSNSのメッセンジャー機能がメインで、通話自体をほぼせず、むしろ拒否反応を示す人が多い。
電話は個人の貴重な時間に他者が割って入ってくる暴力的な装置であり、電話をかけてくる人間のことを「電話野郎」と嫌悪する表現もネット上では生まれた。“サラ川”における世代間闘争は、スマホが当たり前になった世代が社会人になった時とその前後において、「フェイス・トゥー・フェイスこそ至宝! せめて電話を!」世代と「伝わればいいでしょ? LINEとかメッセンジャー、便利っスよ」世代の闘争に収斂されるのではないか。
だからこそ、彼らが社会人になった2015年以降、戸惑う中高年が続出したのだ。