「保存料無添加」をうたうちくわにも、複数の添加物の名前が
◆添加物の知識と自分なりのルール
体重や血糖値が気になる人が特に注意したいのは、「砂糖無添加」という表示だ。アメリカで食生活と病気の関係性について研究する医師の大西睦子さんは、こう話す。
「『砂糖無添加』や『砂糖不使用』とは、あくまで食品の製造・加工の段階で、砂糖を使用していないことを示しています。例えばドライフルーツが入ったパンやお菓子の場合、ドライフルーツに砂糖が含まれていても、ドライフルーツを作るまでの過程は『砂糖』の表示に入らないので『砂糖無添加』『砂糖不使用』と表示できます」
こうした“無添加の嘘”に消費者はどう対抗すべきか。消費者問題研究所代表の垣田達哉さんは、「添加物の知識を持つこと」をすすめる。
「まずは食品表示のルールを知ること。はじめは添加物の名前を見ても、どんな作用があるのかわからないと思います。ですから、インターネットや本でどんな添加物かを調べることが大切です。過剰におびえるのではなく、添加物の内容をしっかりと知ることが、自分や家族の健康につながります」
郡司さんも、添加物と上手につきあうことが大切と話す。
「キャリーオーバーや加工助剤のように食品表示されない添加物が心配なら、メーカーに問い合わせましょう。添加物で気をつけたいのは過剰に摂取すること。完全に除去する必要はないし、それは不可能です。
だから、『〇〇という添加物には特別に注意する』『スーパーでお総菜を買うときは〇〇なしを選ぶ』などと自分でルールを作って、添加物と向き合うことをおすすめします」
彼を知り己を知れば百戦危うからず──まずは、「食品表示の落とし穴」がどこにあるのか知ることが、わが家の食卓を守る第一歩なのだ。
※女性セブン2019年1月3・10日号