中国南部の広東省広州市の工場敷地内を41歳の女性が歩いていたところ、上空から落ちてきた犬が彼女の頭を強打。病院で診察を受けたところ、首の神経を損傷し上半身がマヒして動かなくなっていることが判明した。
このため、女性とその夫と21歳の長男が工場の建物に入居しているテナントら10数人に賠償を求める裁判をおこしたものの、テナントや工場所有者らすべてが犬の飼い主であることを否定しているという裁判が進行していることが分かった。「広州日報」が報じた。
事件は2018年4月の午後8時ごろ、中国内陸部の湖北省から職を求めて広州市に出てきた夫婦と長男の3人が同市白雲区の工場地帯を歩いていたところで起こった。親子3人は白雲区の簡易ホテル(ホステル)に宿泊しており、ホテルに戻るところだった。
工場敷地の角を曲がろうとしてところ、上空から落下してきた大型犬が女性の頭を直撃。犬は夫人に当たってクッションになったため、そのまま地面に落ちたが、ケガはなく、そのまま猛スピードで走り去った。この模様は、近くの監視カメラに記録されており、中国国営中央テレビ局がニュース番組で放送した。
その映像には、3人のほかは犬しか映っておらず、飼い主らしい人間は出てこない。しかし、3人は弁護士に相談し、4月から11月までかかった治療費や生活費など約30万元(約500万円)に加えて、今後の治療費や生活などを犬の飼い主に請求する損害賠償訴訟を起こした。
負傷した女性は定期的に2週間に1回、リハビリのために通院しなければならず、働くこともできない状態。さらに、毎日2時間、リハビリをしなければならないため、夫と長男が女性の手伝いをしなければならず、2人とも仕事を辞めて、女性の治療に専念しているという。