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天皇家が迎える平成最後の元日… 正月はなぜめでたいのか?

2018年の一般参賀の様子(AFP=時事)

 2019年1月1日、平成最後の元日を迎えた。退位を控えた天皇にとっては、今年も例年と変わらず、1年で最も忙しい1日である。

 初日の出前の早朝5時半。かかり湯で心身を清めた天皇は、伝統的に天皇にしか着ることが許されない「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」という重い装束を身にまとい、宮中にある神嘉殿の前庭に出られる。

 凍てつくような寒さの中、地面に敷いた畳に座り、皇祖神・天照大神が祀られている伊勢神宮の方向を向いて拝み、次いで東南西北の順に四方の神々に遥拝し、国民国家の安寧と五穀豊穣を祈る。天皇が新年の最初に臨む宮中祭祀「四方拝(しほうはい)」である。

 その後、宮中三殿に祀られる天照大神や八百万の神々、歴代天皇・皇后・皇族の霊に拝礼する「歳旦祭(さいたんさい)」に臨む。宮中三殿には冷暖房がなく床が板敷で非常に寒いため、近年は掌典職が天皇の代わりに礼拝し、天皇は儀式終了まで御所でお慎みになる。

 歳旦祭終了後、御所にて侍従長をはじめ侍従職職員らと「新年祝賀及びお祝酒」を行なったのち、「晴の御膳」に臨む。

「新年を迎えたお祝いと自然の恵みに感謝する儀式で、勝栗や干しナツメなどの木の実や果物、塩や酢などの調味料、鮎白干しなどが出されます。おせち料理のルーツとの説もありますが、陛下は皿に箸を立てるだけで、実際に召し上がることはありません」(皇室ジャーナリストの神田秀一氏)

 実際に天皇が召し上がるのは、「御祝先付の御膳」と呼ばれる料理で、本膳で小串鰤焼き、浅々大根、菱葩(ひしはなびら)というお餅が出て、二の膳で割伊勢海老、福目煮勝栗、雉の胸肉を焼いて熱燗を注いだ雉酒といったメニューが並ぶ。

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