朝食を終えると「新年祝賀」と「新年祝賀の儀」で、様々な人から祝賀の挨拶を受けられる。
「首相、衆参両議院の議長、最高裁長官、各国大使らが次々に陛下に祝賀を申し上げます。三権の長らが挨拶する時は、陛下は三段重ねの壇上にいますが、各国大使らと会見される時は壇が取り払われて同じ目線に立たれます。天皇が国民統合の象徴として三権の上に君臨する一方、国の代表である大使とは対等な立場に立つことの表われです」(同前)
平成25年の記録では、天皇が祝賀を受けた人数は元日だけで計686人に達した。
夕刻まで続く祝賀の儀が終わると、夕食に日本の伝統的な慶事の食膳「御祝御前」を召し上がって、長い1日が終わる。
翌2日には皇居で「一般参賀」が行なわれる。退位発表後に行なわれた2018年の一般参賀では早朝から皇居に長蛇の列ができ、平成に入って最多の12万6720人が参賀した。平成最後の一般参賀となる2019年はさらなる人出が見込まれている。
そもそも正月とはなぜめでたいのか? それは正月が天皇と日本人にとって“生まれ変わる”大切な日であるからだ。
「神道には、繰り返し新しく生まれ変わることで永遠につながる『常若』という考えがあります。新しい1年が始まる正月は、万物の生命が新たに生まれ変わる大切な日。新年を迎えて、天皇を中心として日本人がみな生まれ変わるから、正月はおめでたいのです」(同前)
平成が終わる2019年は、まさに日本全体が生まれ変わる年になる。その先頭に立たれる天皇の御姿を、じっとこの目に焼きつけたい。
※週刊ポスト2019年1月1・4日号