「鼻がつまってきた」──花粉症が流行する季節に、病院にかかるほどの重症ではなかったり、診察を受けに行く時間がない場合に頼りになるのが、街のドラッグストアで買える市販薬だ。
しかし、素人が自分の判断で飲めるからこそ、そこには危険が潜んでいる。最近では抗ヒスタミン薬の鼻炎薬が主流になってる。それらの添付文書には副作用として「肝機能障害」などが記載されているものもあり、慢性的な服用には注意が必要だ。
さらに、鼻がつまって眠れないときに重宝されるのが点鼻の鼻炎薬。鼻が通る爽快感を気に入り、常用する人がいるが、かえって逆効果になることがある。
医師で保険薬局の経営者でもある狭間研至氏はこう警鐘を鳴らす。
「点鼻の鼻炎薬を連用すると、鼻の粘膜の血管収縮の反応性が悪くなり、だんだん効かなくなってくる。そればかりでなく、鼻の粘膜が肥厚して鼻づまりがひどくなる『薬剤性鼻炎』を引き起こすこともあります」
※週刊ポスト2019年2月1日号