衣料品業界の関係者によると、欧米で最もベーシックでかつフォーマルだとされているのは「無地チャコールグレーのスーツ」で、次いで「無地濃紺スーツ」だそうです。25年前の日本でリクルートスーツの定番色が「紺」だったのも、欧米ルールに準じていた可能性が高いのではないでしょうか。
しかし、スーツに詳しい人によると、紺よりはチャコールグレーの方がよりフォーマルな度合いが高いため、欧米の男性は無地チャコールグレーのスーツを好んで着るとのことです。その昔、日本のサラリーマンの多くがグレーっぽいスーツを着用して“ドブネズミ”と揶揄されましたが、その流行も元をたどれば欧米ルールに準じていたのかもしれません。
さらに、チャコールグレーは「昼」の色、ネイビーは「夜」の色だともいいます。ですから、昼間のビジネスや会合ではネイビーよりもチャコールが好まれるといわれています。夜間の会合ではネイビーが好まれるそうです。
このような欧米ルールに照らせば、黒のビジネススーツが成人式や就活の定番となりつつある日本人の慣習や着こなしはちょっと異質に映るのではないかと思います。