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リクルートスーツ いつから「黒」が定番色になったのか

 結局、私は何店舗か回ったDCブランド店の中から「アトリエサブ」というブランド店で念願の黒いスーツを買いました。定価8万円のものが、バーゲン期間で5万円くらいに値下がりしていたのを覚えています。今、ビジネススーツで5万円というと、けっこう高めの値段に感じますが、このとき、回ったDCブランド店の中では一番安かったのです。

 このように私の体験から振り返っても、1990年代前半、黒いスーツというのは冠婚葬祭用の略礼服、もしくは燕尾服くらいしか一般のスーツ売り場には存在していませんでした。最新鋭のモードテイストを売り物としていたDCブランド店だけが高値で扱っていたのです。

 その後、黒いスーツが「リクルートスーツの定番」として一般大衆向けに売られる状況になったのは、1990年代後半からだと考えます。

 1999年、国内初のツープライススーツショップ「ザ・スーパースーツストア」(オンリー)が初出店しました。1万8000円と2万8000円のツープライスでスーツが売られており、しかも、青山やはるやまなどで扱っていた“おじさん向けスーツ”とは一線を画したファッショナブルなシルエットのスーツでした。

 ここには開店当初から黒いビジネススーツがあったと記憶しており、ようやく一般人でも安値で、略礼服ではない黒いスーツが買えるようになったのです。

 その後、若者向けの低価格スーツ店としてツープライススーツショップは大きな広がりを見せました。嚆矢となったザ・スーパースーツストアをはじめとして、青山の「スーツカンパニー」、はるやまの「パーフェクトスーツファクトリー」、コナカの「スーツセレクト」、AOKIの「スーツダイレクト(のちに店名をオリヒカへと変更)」という具合に一気に広がりました。このあたりでようやく低価格の黒いスーツが一般に広がったと考えられます。

 ところで、スーツの本場、欧米ではスーツの色はどうなっているのでしょうか。

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