中国湖南省で、17歳の高校2年生の男子が47歳の担任の教師を果物ナイフでめった刺しにして殺害する事件が発生、このほど開かれた裁判で、男子は懲役刑を言い渡されていたことが明らかになった。中国では14歳から刑事責任を問うことができるが、少年に対して懲役刑が下されるのは極めて異例。ここ数年で、未成年者による犯罪が急増していることが背景にあるようだ。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。
この少年は羅という姓で、殺された教師の名前は包という姓しか分かっていない。羅は学年の中でもトップクラスの成績だったが、最近、テストの成績が落ちていることについて、包氏は羅に注意をしたうえで、「お前のご両親は、このことを知っているのか。私からご両親に報告する」と忠告。その場で、携帯電話で羅の自宅に電話をしようとしたところ、羅は「やめろ」などと絶叫しながら、持っていた果物ナイフで包氏をめった刺しにしたという。包氏は心臓への刺し傷が致命傷となっており、出血多量で死亡した。
事件後、湖南省益陽市の地方裁判所で、羅が未成年であることから非公開で裁判が開かれ終身刑の判決が下された。
中国の刑法に詳しい専門家は中国紙に対して「未成年者への終身刑は異例だが、今回は十分な殺意があったことが認定されており、成人の犯罪ならば死刑判決が下されても不思議ではない。今回の裁判では未成年者であることが考慮されたのは間違いない」と指摘している。
中国ではここ数年で未成年者による犯罪が急増している。昨年7月には湖北省で、13歳の少年が14歳の少女に暴行を加えたことで逮捕されたが、地方裁判所は少年が14歳以下であることから、判決を下さなかったという事例がある。