国際情報

中国でも少年犯罪が過激化 窃盗犯の14歳が夜の街で豪遊も

少年犯罪を取り巻く法整備は十分とはいえない(アフロ)

 中国においても少年犯罪の蔓延は社会問題化しているようである。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏がレポートする。

 * * *
 春節(旧正月)では、一年間かけて稼いだ金を消費するといわれるほど大騒ぎするのが習わしである。その一方で、この春節を暗い気持ちで迎える者の落胆は深い。できれば正月だけは楽しく過ごしたい。というわけで春節前には最後の悪あがきとばかりに犯罪が増え、関連する報道も目に付くようになる。

 だが、今年の犯罪報道で目立っているのは少年犯罪である。これはここ数十年の傾向ともいえるが、犯罪の低年齢化と過激化は社会に深刻な影を落としている。

 なかでも問題なのが、14歳以下の少年による犯行で、少年らも自分たちが成人と同じように裁かれないことを十分認識したうえで犯行に及んでいることだ。

 今年1月14日、安徽省滁州市来安県で現地の警察は窃盗を繰り返していた二人の少年を捕らえた。

 二人の少年は20万元(約326万円)相当のスマートフォンを盗んだ疑いをはじめ計40件以上の窃盗にからんだとして取り調べを受けたのだが、その最中、なんと「オレたちは14歳だ。16歳にならないと刑務所には入れられないって法律で決まっているんだろう。だったら釈放されてからも、まだ400日間も泥棒ができる」と豪語したというのだ。

 同じように『現代快報』(1月20日付)は、江蘇省阜寧県の14歳の少年が、やはり40件以上の盗みを繰り返し、その金でオンラインゲームで遊んだり、夜の街で豪遊していたと伝えている。

 ネットの中では、「大人でも限られた人間しか行かないような場所に出入りしていた“少年”」に対して厳しい意見が相次いだとされるが、結局、「保護者に対するお願いしかできない」司法の無力さをさらしただけであった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

万博で身につけた”天然うるし珠イヤリング“(2025年8月23日、撮影/JMPA)
《“佳子さま売れ”のなぜ?》2990円ニット、5500円イヤリング…プチプラで華やかに見せるファッションリーダーぶり
NEWSポストセブン
次の首相の後任はどうなるのか(時事通信フォト)
《自民党総裁有力候補に党内から不安》高市早苗氏は「右過ぎて参政党と連立なんてことも言い出しかねない」、小泉進次郎氏は「中身の薄さはいかんともしがたい」の評
NEWSポストセブン
阪神の中野拓夢(時事通信フォト)
《阪神優勝の立役者》選手会長・中野拓夢を献身的に支える“3歳年上のインスタグラマー妻”が貫く「徹底した配慮」
NEWSポストセブン
9年の濃厚な女優人生を駆け抜けた夏目雅子さん(撮影/田川清美)
《没後40年・夏目雅子さんを偲ぶ》永遠の「原石」として記憶に刻まれた女優 『瀬戸内少年野球団』での天真爛漫さは「技巧では決して表現できない境地」
週刊ポスト
朝比ライオさん
《マルチ2世家族の壮絶な実態》「母は姉の制服を切り刻み…」「包丁を手に『アンタを殺して私も死ぬ』と」京大合格も就職も母の“アップへの成果報告”に利用された
NEWSポストセブン
チームには多くの不安材料が
《大谷翔平のポストシーズンに不安材料》ドジャースで深刻な「セットアッパー&クローザー不足」、大谷をクローザーで起用するプランもあるか
週刊ポスト
ブリトニー・スピアーズ(時事通信フォト)
《ブリトニー・スピアーズの現在》“スケ感がスゴい”レオタード姿を公開…腰をくねらせ胸元をさすって踊る様子に「誰か助けてあげられないか?」とファンが心配 
NEWSポストセブン
政権の命運を握る存在に(時事通信フォト)
《岸田文雄・前首相の奸計》「加藤の乱」から学んだ倒閣運動 石破降ろしの汚れ役は旧安倍派や麻生派にやらせ、自らはキャスティングボートを握った
週刊ポスト
2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン