ところがここが盲点だ。選挙に行かない、投票に行かないことで、「何も選択しなかった」、「意思を示さなかった」と思っているのは自分だけ。実は“選挙に行かない”“選択しない”ということ自体が、自らの意思表示になってしまうという「デフォルト効果」が生じているのだ。

 デフォルトとは、そのまま何もしなけばそれを選択をすることになる選択肢のことだ。スマホやパソコンなどの“初期設定”に例えられることが多く、利用者が自ら変更しなければ初期設定のまま使うことになる。初期設定のまま、提示されたまま変更しないという人は案外多く、これがデフォルト効果である。この効果が生じる理由は、「諦め」や「選ぶのが難しい」などの他に、「現状のままでいい」、「変更するのが面倒」といった心理的要因も関係しているといわれる。

 今回の県民投票なら、デフォルトは「新基地建設賛成」や「辺野古の埋め立て容認」にあたる。投票に行かなければ反対を表明できず、行かなければ自然と賛成や容認というデフォルトを選択したことになり、デフォルト効果が生じてしまう。そのため、辺野古の埋め立てをさっさと進めてしまいたい政権にとっては、投票率が悪ければ悪いほど好都合だったのだ。

 さて、ここでハタと思った。デフォルトが反対だったらどんな結果になっただろう。「新基地建設中止」、「辺野古の埋め立て撤回」がデフォルトだったら? 新基地建設に賛成の人は、投票に行って建設中止に反対票を投じなければならなかったならば? この時生じるデフォルト効果は、きっと今回とはまた別の意味を持っていただろう。

 法的拘束力はないとはいえ、県民の民意は反対と示された。安倍首相は暗く厳しい表情で「結果を真摯に受け止める」と話したが、「もうこれ以上、先送りすることはできない」とも述べ、工事は継続されている。「辺野古新基地建設の阻止に向けて全身全霊捧げていく」と口元をきつく結んで語った玉城知事は、安倍首相に今回の結果を直接伝え、見直しを求める考えだという。今は会談の行方を見守るしかない。

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