現在、通信キャリアの月額料金の値下げもあって、格安スマホの勢いにはブレーキがかかる一方、秋には楽天が第4のキャリアとして参入予定など、今年はスマホ関連業界は何かと話題が多い。端末購入代金を割安にする代わりに毎月の通信料金を割高に設定してきた、従来の通信キャリアのモデルも転換点を迎えている。
巷間言われている「分離プラン」が今後実現していくと、端末購入代金は相対的に上がり、その代わり月額料金が下がっていく傾向が強まる。その過程でグーグル純正スマホのPixel廉価版が登場すれば、意外に健闘するかもしれない。その際、Pixelを扱ってこなかったKDDI、あるいはそのKDDIと連携することになった楽天で扱うこともあり得るのではないか。
また、スマホはバッテリーが3年も使えばへたって減りが早くなるので、3年サイクルぐらいで買い替える人たちにとっても、従来より価格が下がるPixel廉価版はウエルカムだ。
さらにお得に購入したい人は、廉価版が出てから1年落ちぐらいの、値が下がったところで買うのもアリだ。1年落ちなら、前述した2種類のアップデートの残存期間が2年ある。3年で買い替えるとしても、OSは最新の1つ手前のバージョンだから、古臭さはない。
1年落ちまでは待てないという人も、Pixel廉価版が出てしばらく経てば、ETOREN(イートレン)やEXPANSYS(エクスパンシス)といった、日本語や日本円にも対応した海外のスマホ通販サイトを使えば、通常よりも割安で購入できる可能性が高い。
そんな折、NTTドコモでは早くもこの3月1日から、Pixel 3、Pixel 3 XLともにかなりの値下げに踏み切った。Pixelの第4世代が出るであろう秋になれば、廉価版ではない端末も従来に比べて一段と値下がりする可能性もあるから、そこで1年落ちの“正規版”購入を狙う選択肢も出てくるだろう。
さらに、グーグルにとっても、あまり売れない高価格帯スマホでいつまでも勝負するのは得策ではない。Pixel廉価版の登場と前後して、AIスピーカーやスマートウォッチも発売されると目され、グーグル経済圏で囲い込んでいくためにも、自社の純正スマホの販売ボリュームは高めたいところだ。
グーグルは台湾のスマホ大手、HTCからスマホ事業の一部を買収しており、純正スマホの生産面でもホンハイなどの台湾勢が支えている。政治的な摩擦の高まりやセキュリティ面の不安から、韓国のサムスンや中国のファーウェイのスマホは使いたくないという人も増えた昨今、アンドロイド端末をチョイスしたい人たちにとって、Pixel廉価版は有力な選択肢の1つになり得る。