◆30名、40名規模で増えている学校を発見
近年の中学入試においては、午後入試や英語入試、算数入試、思考力入試といった新しい入試を構える学校が多く、応募者の総合計は当然のことながら大きく増える。
そこで私は例年第1回入試の応募者数に着目している。今年も第1回入試に着目している中で、中学受験塾の四谷大塚の偏差値が38と低いにもかかわらず、前年より応募者が43名も増加している学校の存在に気がついた。
偏差値が高い学校は募集人員も多く、大きく増えることはあるが、40以下の学校が40名規模で増えることは少ない。その学校とは、女子美術大学付属中学である。ちなみに前年も調べてみたところ、29名増と連続して増えていた。
いまどきの保護者が選ぶ学校像からするとそぐわない学校である。HPをのぞいてみる。「特色ある授業」はどの教科も生徒の作品が出てくる。国語の「故事成語カルタ」や、数学の「正多面体」など、どれもカラフルで明るい。1日の生活時間もふんだんに生徒のイラストが入っている。全体に明るく楽しい雰囲気が充満している。他校の情報量優先、硬派な印象のHPを見慣れた目には新鮮に映る。
少しでも効率よく学力を伸ばしたいという多数派の潮流からすれば、時代に合わない感じすらする。