ビジネス

レモンサワー市場が過熱 ハイボール客をめぐる駆け引きも

進化系サワーの需要を創出したい──と意気込むサッポロビールの新レモンサワー

進化系サワーの需要を創出したい──と意気込むサッポロビールの新レモンサワー

 近年、若者を中心に人気のレモンサワー。居酒屋でもレモン果実を贅沢に使った“進化系レモンサワー”を名物にする店が増えている。一方、市販の缶チューハイ市場でもレモンサワーを強化する動きが活発で、「ポストハイボール」への期待が高まっているが、果たしてその勢いはどこまで続くのか──。経済ジャーナリストの河野圭祐氏がレポートする。

 * * *
 4月2日、サッポロビールから新しいレモンサワー、「レモン・ザ・リッチ」(3種類)が発売される。同社からは「キレートレモンサワー」という商品も出ているが、若年世代を中心にレモンサワー人気が高まっていることから、さらに需要を取り込もうというわけだ。サッポロの高島英也社長はこう語っている。

「外食市場でレモンサワーが本当にブームです。最大の理由は食中酒になること。いろいろなものを食べながら、レモンサワーだったらスッとイケる。また、缶チューハイでもレモンフレーバーは人気で、(スーパーなどで)やっぱり皆さん手に取られています」

 サッポロのニュースリリースには、〈外食業界では「ポストハイボールはレモンサワー」と言われ、さらにこだわり系、濃いレモン系などの「進化系レモンサワー」にトレンドはシフトしており、家庭用でも「進化系レモンサワー」の需要を創出する〉とある。

「レモン・ザ・リッチ」のこだわりは、レモン果汁にレモンの果皮、レモンオイル、レモンパルプを加えた果汁を使用したことにあるという。開発したのは、飲料メーカーのポッカサッポロフード&ビバレッジ。2013年にポッカとサッポロ飲料が経営統合して誕生した会社だが、ポッカといえば、代名詞にもなっている「ポッカレモン」がある。

「そこで我々にしかできないことをやろうということで、ポッカサッポロが持っているレモンの特徴的なノウハウを、この缶商品に詰め込みトライしてみました」(高島社長)

 3種類の「レモン・ザ・リッチ」はすべてアルコール分は5%で、「濃い味ドライレモン」「濃い味レモン」「濃い味ビターレモン」。3種類のレモンサワーといえば昨年5月、日本コカ・コーラが九州エリア限定で出した、「檸檬堂」の「定番レモン」(アルコール度数5%)、「塩レモン」(同7%)、「はちみつレモン」(同3%)が思い出される。

「私も『檸檬堂』の商品は飲んでみましたが、缶のパッケージデザインがカッコいいし、かわいい。将来、どう全国展開に持っていくのか、興味があります」

 昨年、高島氏はこう語っていたが、もともと日本コカ・コーラは広告宣伝やマーケティングの巧みさで定評がある。「檸檬堂」の出荷数量は計画比の2倍とも言われ、今年1月にはアルコールプロジェクト統括部も発足。

 さらに2月には、やはり九州限定ながら「檸檬堂」の4つ目の商品となる「鬼レモン」(アルコール度数9%)も投入している。いつ九州以外のエリアにも展開を広げるのか、気になるところだ。

関連記事

トピックス

運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏に「自民入りもあり得るか」聞いた
【国民民主・公認取り消しの余波】無所属・山尾志桜里氏 自民党の“後追い公認”めぐる記者の直撃に「アプローチはない。応援に来てほしいくらい」
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
遠野なぎこさん(享年45)、3度の離婚を経て苦悩していた“パートナー探し”…それでも出会った「“ママ”でいられる存在」
NEWSポストセブン
レッドカーペットに登壇した大谷夫妻(時事通信フォト)
《産後“ファッション迷子期”を見事クリア》大谷翔平・真美子さん夫妻のレッドカーペットスタイルを専門家激賞「横顔も後ろ姿も流れるように美しいシルエット」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
「週刊ポスト」本日発売! 石破政権が全国自治体にバラ撒いた2000億円ほか
NEWSポストセブン