ビジネス

「高学歴新入社員」ほど陥りやすい挫折 その処方箋は?

◆タイプ2「背負い込み型」

 もう1つは、「背負い込み型」だ。わが国ではまだ学歴が高いこと、よい学校を出ているということで、周りからは「優秀な人材」と見られる。当然期待され、仕事のハードルも高くなる。そして本人は、「優秀な人材」という評判を裏切らないため、どんなことがあっても期待に応えようとする。

 しかし実際は、学歴が高いからといって必ずしも優秀なわけではなく、まして仕事ができるとも限らない。そこで本人は、期待と実力のギャップに苦しむのである。

 彼らは受験勉強でつねに「自分に克つ」ことをポリシーにして受験戦争をくぐり抜けてきた。彼らの辞書に「できない」という文字はない。そもそも与えられた仕事を断ったり、手を抜いたりすることは自分自身が許せない。つまり重荷を下ろす術を知らないのである。

 そのため自分のキャパシティを超え、つぶれるまで仕事を背負い込んでしまう。ストレスから心身の不調をきたしたり、大きなミスを犯したりするケースが出てくる。そして最悪の場合、過労死や過労自殺といった結末が待っている。

◆呪縛を解くためには

 2つのタイプに共通するのは、背後で人一倍強い「承認欲求」が働いていること、すなわち周囲から高く評価されなければならない、評判を裏切ってはいけないという承認への過度なこだわりが自分自身を苦しめているのである。しかも、それを自覚していないことが問題をいっそう拡大させている。

 もちろん、その責任を本人だけに帰するのは酷である。むしろ彼らを過剰に評価し、実力以上に期待水準を高めてしまい、同時に自分の能力を過信させてしまった学歴社会こそが問題の根源だといえよう。

 ともあれ状況を正すには、背後にある承認欲求の呪縛を解かなければならない。目標は本人も周囲も、本人の実力を正しく認識することである。互いに先入観を捨て、正味の実力を理解すれば、背伸びしすぎや勘違いによる不幸はなくせるはずだ。では、どうすればそれができるのか?

関連記事

トピックス

雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
《雅子さま、62年の旅日記》「生まれて初めての夏」「海外留学」「スキー場で愛子さまと」「海外公務」「慰霊の旅」…“旅”をキーワードに雅子さまがご覧になった景色をたどる 
女性セブン
悠仁さま(撮影/JMPA)
《悠仁さまの周辺に緊張感》筑波大学の研究施設で「砲弾らしきもの」を発見 不審物が見つかった場所は所属サークルの活動エリアの目と鼻の先、問われる大学の警備体制 
女性セブン
清水運転員(21)
「女性特有のギクシャクがない」「肌が綺麗になった」“男社会”に飛び込んだ21歳女性ドライバーが語る大型トラックが「最高の職場」な理由
NEWSポストセブン
活動再開を発表した小島瑠璃子(時事通信フォト)
《輝く金髪姿で再始動》こじるりが亡き夫のサウナ会社を破産処理へ…“新ビジネス”に向ける意気込み「子供の人生だけは輝かしいものになってほしい」
NEWSポストセブン
高校時代の安福久美子容疑者(右・共同通信)
《「子育ての苦労を分からせたかった」と供述》「夫婦2人でいるところを見たことがない」隣人男性が証言した安福容疑者の“孤育て”「不思議な家族だった」
中国でも人気があるキムタク親子
《木村拓哉とKokiの中国版SNSがピタリと停止》緊迫の日中関係のなか2人が“無風”でいられる理由…背景に「2025年ならではの事情」
NEWSポストセブン
ケンダルはこのまま車に乗っているようだ(ケンダル・ジェンナーのInstagramより)
《“ぴったり具合”で校則違反が決まる》オーストラリアの高校が“行き過ぎたアスレジャー”禁止で波紋「嫌なら転校すべき」「こんな服を学校に着ていくなんて」支持する声も 
NEWSポストセブン
24才のお誕生日を迎えられた愛子さま(2025年11月7日、写真/宮内庁提供)
《12月1日に24才のお誕生日》愛子さま、新たな家族「美海(みみ)」のお写真公開 今年8月に保護猫を迎えられて、これで飼い猫は「セブン」との2匹に 
女性セブン
東京ディズニーシーにある「ホテルミラコスタ」で刃物を持って侵入した姜春雨容疑者(34)(HP/容疑者のSNSより)
《夢の国の”刃物男”の素顔》「日本語が苦手」「寡黙で大人しい人」ホテルミラコスタで中華包丁を取り出した姜春雨容疑者の目撃証言
NEWSポストセブン
石橋貴明の近影がXに投稿されていた(写真/AFLO)
《黒髪からグレイヘアに激変》がん闘病中のほっそり石橋貴明の近影公開、後輩プロ野球選手らと食事会で「近影解禁」の背景
NEWSポストセブン
秋の園遊会で招待者と歓談される秋篠宮妃紀子さま(時事通信フォト)
《陽の光の下で輝く紀子さまの“レッドヘア”》“アラ還でもふんわりヘア”から伝わる御髪への美意識「ガーリーアイテムで親しみやすさを演出」
NEWSポストセブン
ニューヨークのイベントでパンツレスファッションで現れたリサ(時事通信フォト)
《マネはお勧めできない》“パンツレス”ファッションがSNSで物議…スタイル抜群の海外セレブらが見せるスタイルに困惑「公序良俗を考えると難しいかと」
NEWSポストセブン