また、課税問題については、各国での売り上げに応じてそれぞれの国で納税させる新たな税制が多くの国で検討されている。たとえばフランスは3月、国際収益が年間7億5000万ユーロ以上(国内での収益が同2500万ユーロ以上)のデジタル企業を対象にした「デジタル税」を導入すると発表した。イギリスやイタリア、スペイン、インドなども同様の新税を導入すると報じられている。
しかし、これは国ごとではなく「グローバル課税」にしないと、根本的な解決策にならないと思う。ネットの世界はグローバル・ビレッジなので、国別に課税するという概念がなじまないからである。
フランスやイギリスなどのように、単にその国での売上高に応じて納税させるのではなく、グローバルな収益から、その国の売上高に比例して納税させるべきだろう。なぜなら、GAFAは国別の収益を公表しないし、国別の経費もあまり意味を持たないからだ。したがって、企業本社での最終純利益を国別の売上高で按分する、という考え方である。これは日本の外形標準課税(*1)やアメリカのユニタリータックス(*2)に近い。
【*1:資本金・売上高・事業所の床面積・従業員数など、企業の事業規模を外形的に表す基準をベースに課税する方式。*2:アメリカの州が課す税で、州外の親会社・子会社・関連会社を一体のものとみなして全所得を合算し、その州における売上高や資産などで比例配分したものを州事業税の課税対象にする方式】
※週刊ポスト2019年4月19日号