国内

「GAFA独占」問題をどう解決するか、大前研一氏が分析

巨大IT企業の独占をどう解決するか

 商品やサービスを提供するプラットフォーム企業のうち、特に巨大なアメリカのIT企業4社は「GAFA」と呼ばれている。最近では、世界中でこの巨大企業が個人情報をかき集め、独占し、納税も巧みに逃れていることが問題となっている。経営コンサルタントの大前研一氏が、「GAFA独占」問題の解決について解説する。

 * * *
「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などの「デジタルプラットフォーマー」と呼ばれる巨大IT企業に対する規制圧力が、世界中で強まっている。この問題は、大きく分けて「個人データ独占」と「課税」の二つがある。

 まず個人データ独占問題は、消費者がスマホやパソコンで検索や買い物をすると、その履歴などの個人データが利用した企業に蓄積される。それをデジタルプラットフォーマーは世界規模で膨大に集めて事実上独占し、消費者の同意なくターゲティング広告(※ユーザーが閲覧したサイト、検索履歴、検索キーワードなどを基にユーザーの興味や関心、嗜好性を解析し、それに的を絞った広告を配信する手法)などの事業に活用して莫大な利益を上げている。そういう行為が独占禁止法に違反するとして、各国で批判が高まっているのだ。

 もう一つの課税問題は、デジタルプラットフォーマーがタックスヘイブン(租税回避地)や法人税率が低い国・地域に拠点を置き、法の抜け穴を利用して実際に収益を上げている国で税金を納めていないことである。この“税逃れ”をどう防ぐかが、世界中の政府の課題になっているのだ。

 だが、その解決は容易ではない。たとえば、もともと日本の独占禁止法の目的は「公正かつ自由な競争を促進し、事業者が自主的な判断で自由に活動できるようにすること」であり、市場メカニズムを正しく機能させるために「私的独占」「不当な取引制限」「不公正な取引方法」などを規制している。具体的には、不当な低価格販売などの手段を用いて競争相手を市場から排除したり、50%超のシェアを持つ事業者がいる市場で需要やコストが減少しても価格が下がらないなどの弊害が認められる場合に適用される。

関連キーワード

関連記事

トピックス

WSで遠征観戦を“解禁”した真美子さん
《真美子さんが“遠出解禁”で大ブーイングのトロントへ》大谷翔平が球場で大切にする「リラックスできるルーティン」…アウェーでも愛娘を託せる“絶対的味方”の存在
NEWSポストセブン
ベラルーシ出身で20代のフリーモデル 、ベラ・クラフツォワさんが詐欺グループに拉致され殺害される事件が起きた(Instagramより)
「モデル契約と騙され、臓器を切り取られ…」「遺体に巨額の身代金を要求」タイ渡航のベラルーシ20代女性殺害、偽オファーで巨大詐欺グループの“奴隷”に
NEWSポストセブン
高校時代には映画誌のを毎月愛読していたという菊川怜
【15年ぶりに映画主演の菊川怜】三児の子育てと芸能活動の両立に「大人になると弱音を吐く場所がないですよね」と心境吐露 菊川流「自分を励ます方法」明かす
週刊ポスト
ツキノワグマは「人間を恐がる」と言われてきたが……(写真提供/イメージマート)
《全国で被害多発》”臆病だった”ツキノワグマが変わった 出没する地域の住民「こっちを食いたそうにみてたな、獲物って目で見んだ」
NEWSポストセブン
2020年に引退した元プロレスラーの中西学さん
《病気とかじゃないですよ》現役当時から体重45キロ減、中西学さんが明かした激ヤセの理由「今も痺れるときはあります」頚椎損傷の大ケガから14年の後悔
NEWSポストセブン
政界の”オシャレ番長”・麻生太郎氏(時事通信フォト)
「曲がった口角に合わせてネクタイもずらす」政界のおしゃれ番長・麻生太郎のファッションに隠された“知られざる工夫” 《米紙では“ギャングスタイル”とも》
NEWSポストセブン
イギリス出身のボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
《ビザ取り消し騒動も》イギリス出身の金髪美女インフルエンサー(26)が次に狙うオーストラリアでの“最もクレイジーな乱倫パーティー”
NEWSポストセブン
東京都慰霊堂を初めて訪問された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年10月23日、撮影/JMPA)
《母娘の追悼ファッション》皇后雅子さまは“縦ライン”を意識したコーデ、愛子さまは丸みのあるアイテムでフェミニンに
NEWSポストセブン
将棋界で「中年の星」と呼ばれた棋士・青野照市九段
「その日一日負けが込んでも、最後の一局は必ず勝て」将棋の世界で50年生きた“中年の星”青野照市九段が語る「負け続けない人の思考法」
NEWSポストセブン
2023年に結婚を発表したきゃりーぱみゅぱみゅと葉山奨之
「傍聴席にピンク髪に“だる着”姿で現れて…」きゃりーぱみゅぱみゅ(32)が法廷で見せていた“ファッションモンスター”としての気遣い
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKI(右/インスタグラムより)
《趣里が待つ自宅に帰れない…》三山凌輝が「ネトフリ」出演で超大物らと長期ロケ「なぜこんなにいい役を?」の声も温かい眼差しで見守る水谷豊
NEWSポストセブン
松田聖子のモノマネ第一人者・Seiko
《ステージ4の大腸がんで余命3か月宣告》松田聖子のものまねタレント・Seikoが明かした“がん治療の苦しみ”と“生きる希望” 感激した本家からの「言葉」
NEWSポストセブン