筆者も学生時代に見ず知らずの社会人にOB・OG訪問をしたことがある。先輩社会人は、私が大学の後輩というだけで、善意で優しく対応してくれたことを思い出す。またそこから社風など企業の実態を知ることもできた。
日本の就活において、OB・OG訪問は入社後のミスマッチを減らす、よくできた善意のシステムだった。それがごく少数の不届き者のおかげで軋みはじめている。時代に合わせて形を変えるにせよ、善意のシステムは残していくべきだ。
そのためにも男性社会人は、リスクを想定し誤解されないよう、後輩の就活生を応援していくことが大切ではないだろうか。
【プロフィール】ふくしま・なおき/1966年長野県生まれ。就職コンサルタント。上智大学文学部卒業後、大手広告会社勤務を経て、93年より就職に関わる執筆、講演活動、学生の就職支援を行う。最新刊に『学歴フィルター』(小学館新書)がある。