では、このような状況を踏まえ、男性社会人はどう対応すればいいのだろうか? 以下に、最低限守るべきルールを記しておこう。
【1】不用意に個人の連絡先を交換しない
OB訪問時に女子大生からSNSでつながりたいと言われた場合を想定してみよう。
「LINEで友達になりたいです」
「インスタグラムでフォローさせてください」
「インスタのDirectでやり取りさせてください」
「Facebookで友達申請していいですか?」
このような場合は、基本的に断った方が無難である。後に学生から、「嫌だったけど、無理矢理LINEを交換させられた」「勝手にインスタでフォローされて気持ち悪い」などと人事にクレームを入れられたらどうなるだろうか? 証拠がないことから有効な反論ができない。あなたの人事評価は下がるかもしれない。
SNSを断ったところで、就活生は困りはしない。彼らが再度あなたと連絡を取りたければ、会社の固定電話に連絡すればよいし、会社のメールアドレスにメールを送ればいいだけだ。はっきりと「トラブルを防ぐため、個別の連絡先交換はしない」とか「SNSはやっていない」と伝えるべきだ。
【2】お酒の出る店では会わない
基本的に業務時間内にロビーなど社内でOB訪問を受けるのが無難だ。ただし、仕事が忙しく、夕食時しか時間が取れないこともあるだろう。その場合は社員食堂やカフェなど他者の目がある場所で、かつ、お酒が提供されない場所を選ぶべきだ。「静かだから」「落ち着いて話せるから」などという理由でカラオケボックスに行くなどは言語道断だ。
「お酒につきあわされた」「密室で身体を触られた」と主張されたら反論できない。
【3】OB・OG訪問アプリを使用しない
最近は就活生の間でOB・OG訪問のマッチングアプリが流行っている。学生側からすると、自分の所属する大学のOB・OG以外にも出会える可能性があり、メリットがある。だが、社会人側からすればメリットはない。不要なサービスを利用してリスクを高めることはない。社員に利用を禁止する企業も出てきている。
【4】同僚女性にしてはいけないことは学生にもしてはいけない
当たり前のことだが、これができていない男性社員が多いのではないか。学生を半人前扱いして、服装を褒めたり、容姿を褒めたりする人がいる。だが、同僚の女性に「今日の服はセクシーだね」とか「可愛いね」などと言ったらセクハラだろう。女子大学生が会社の人事にクレームをいれれば、当然、人事はリスクを感じるだろう。
他にも、親の職業、出身地、現在住んでいるエリア、最寄り駅などを聞かないように気をつけるべきだ。つまり過度に相手のプライバシーに踏み込まないこと。もうおわかりのように、基本的に「セクハラ」「パワハラ」防止と同様である。相手から「セクハラされた」と主張された時に抗弁できるか? という観点で考えることが重要だ。