ビジネス

就活女子大生に「セクハラ」と言われないための自衛策とは

OB訪問で知り合った就活生とのSNSの交換は危ない(写真はイメージ)

 就職活動の現場が大揺れだ。就活に必死の女子大学生を標的にした、現役男性社員の性的暴行や不適切な関係が、相次いで報道された。そうした卑劣な行動は言語道断だが、大多数の社員はまじめに働き、まじめにOB・OG訪問を受けていることだろう。しかし、男性社員は以前にも増して注意を払わねば、思わぬ落とし穴にはまりかねない。『学歴フィルター』(小学館)の著書がある、就職コンサルタント・福島直樹氏が解説する。

 * * *
 今年3月、住友商事元社員が準強制性交などの疑いで警視庁に逮捕された。就活でOB訪問に訪れた女子大学生に酒を飲ませて泥酔させ、ホテルでわいせつな行為をした疑いだった。社員は事件後に懲戒解雇された。

 2月には、大手ゼネコンの男性社員が、OB訪問で知り合った就活中の女子大学生を自宅マンションに呼び、わいせつ行為をした疑いで警視庁に逮捕された(後に不起訴)。

 大手企業に就職したい学生たちの立場の弱さに漬け込んだのであれば、卑怯な行為であり、断じて許されない。人間として下劣である。

 一方で、多くの男性社会人は誠実であり悪意は抱いていないだろう。OB・OG訪問も同じ大学出身の後輩への親切心から受け付け、忙しい業務の合間に時間を割いていると思われる。しかし、今回の報道を受けて、「自分は下心などないから大丈夫だ」と感じた社会人は危ない。私が注意を喚起したいのは、近年、問題が頻発する背景に次のような事情があるからだ。

 大手企業は2016年卒業予定の大学生向け新卒採用から求人数を減らしており、大手に関しては実は就職が厳しくなっている。リクルートワークス研究所の調査では、社員数5000人以上の企業の有効求人倍率はこの数年で、0.70倍(2016年卒業)から0.37倍(2019年卒業)へと半減しているのだ。

 ゆえに「OB・OGを訪問して直接アドバイスがほしい」「リクルーターから優先的に人事に紹介してもらいたい」という学生側のニーズが高まり、リクルーターは当の本人が感じている以上に「強い」立場にある。これまで以上に、学生は社員側の要求を断りにくくなっている。

 かつてはOB訪問の際に、社員が学生に夕飯をご馳走してあげることもあっただろう。だが、いまやお酒が出るお店に連れて行けば、「無理矢理デートに付き合わされた」と言われても仕方のない時代だ。「これまでは許されていた」とか、「学生側の同意があった」などという抗弁はまったく通用しない。

 就活中の女子大学生たちは、就職できるかどうかで心理的に追い詰められているケースも少なくない。彼女たちの立場は非常に弱く、そのことに思いが至らなければ、社会人側のミスである。

関連記事

トピックス

元交際相手の白井秀征容疑者(本人SNS)のストーカーに悩まされていた岡崎彩咲陽さん(親族提供)
《川崎・ストーカー殺人》「悔しくて寝られない夜が何度も…」岡崎彩咲陽さんの兄弟が被告の厳罰求める“追悼ライブ”に500人が集結、兄は「俺の自慢の妹だな!愛してる」と涙
NEWSポストセブン
グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカル
【ニコラス・ケイジと共演も】「目標は二階堂ふみ、沢尻エリカ」グラドルから本格派女優を目指す西本ヒカルの「すべてをさらけ出す覚悟」
週刊ポスト
阪神・藤川球児監督と、ヘッドコーチに就任した和田豊・元監督(時事通信フォト)
阪神・藤川球児監督 和田豊・元監督が「18歳年上のヘッドコーチ」就任の思惑と不安 几帳面さ、忠実さに評価の声も「何かあった時に責任を取る身代わりでは」の指摘も
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さん(時事通信フォト)
《ハワイで白黒ペアルック》「大谷翔平さんですか?」に真美子さんは“余裕の対応”…ファンが投稿した「ファミリーの仲睦まじい姿」
NEWSポストセブン
赤穂市民病院が公式に「医療過誤」だと認めている手術は一件のみ(写真/イメージマート)
「階段に突き落とされた」「試験の邪魔をされた」 漫画『脳外科医 竹田くん』のモデルになった赤穂市民病院医療過誤騒動に関係した執刀医と上司の医師の間で繰り広げられた“泥沼告訴合戦”
NEWSポストセブン
被害を受けたジュフリー氏、エプスタイン元被告(時事通信フォト、司法省(DOJ)より)
《女性の体に「ロリータ」の書き込み…》10代少女ら被害に…アメリカ史上最も“闇深い”人身売買事件、新たな写真が公開「手首に何かを巻きつける」「不気味に笑う男」【エプスタイン事件】
NEWSポストセブン
2025年はMLBのワールドシリーズで優勝。WBCでも優勝して、真の“世界一”を目指す(写真/AFLO)
《WBCで大谷翔平の二刀流の可能性は?》元祖WBC戦士・宮本慎也氏が展望「球数を制限しつつマウンドに立ってくれる」、連覇の可能性は50%
女性セブン
「名球会ONK座談会」の印象的なやりとりを振り返る
〈2025年追悼・長嶋茂雄さん 〉「ONK(王・長嶋・金田)座談会」を再録 日本中を明るく照らした“ミスターの言葉”、監督就任中も本音を隠さなかった「野球への熱い想い」
週刊ポスト
12月3日期間限定のスケートパークでオープニングセレモニーに登場した本田望結
《むっちりサンタ姿で登場》10キロ減量を報告した本田望結、ピッタリ衣装を着用した後にクリスマスディナーを“絶景レストラン”で堪能
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん(時事通信フォト)
笹生優花、原英莉花らを育てたジャンボ尾崎さんが語っていた“成長の鉄則” 「最終目的が大きいほどいいわけでもない」
NEWSポストセブン
日高氏が「未成年女性アイドルを深夜に自宅呼び出し」していたことがわかった
《本誌スクープで年内活動辞退》「未成年アイドルを深夜自宅呼び出し」SKY-HIは「猛省しております」と回答していた【各テレビ局も検証を求める声】
NEWSポストセブン
訃報が報じられた、“ジャンボ尾崎”こと尾崎将司さん
亡くなったジャンボ尾崎さんが生前語っていた“人生最後に見たい景色” 「オレのことはもういいんだよ…」
NEWSポストセブン