「おもてなしというと、笑顔で優しく接客することと考えられがちで、ファストフードや安価なチェーン店などでは従業員にそう教えている。しかし高級店は真逆。
親方は愛想笑いもせず、“何から切りましょうか”など客を試すような質問をし、怖い顔で鮨を握り続けます。そこで眼鏡にかなった客は、親方から上客として認められる。自分と対等あるいはより上の立場の人に承認してもらうことで客は価値を認識するのです。
高級店のサービスは“安らぎの場”ではなく、“闘いの場”の提供ともいえるのです」(山内氏)
※週刊ポスト2019年5月31日号