ライフ

旅行や引越し時の「心付け」 実はコスパがいい出費との説

館の宿泊時には「心付け」を渡す人もいる

 選択肢を増やせるという意味でお金は重要だが、人生が損得だけで割り切れるものでもない。コラムニストの石原壮一郎氏が指摘する。

 * * *
 このところネット上では、「心付け」や「チップ」にまつわる話題が盛り上がっています。海外旅行で日本人がもっとも戸惑うのが、チップをどうすればいいか問題。日本では原則としてチップを渡す習慣はありません。ただ、チップとは似て非なる「心付け」という文化はあります。

 あるツイッターユーザーが、弟が彼女と温泉旅行に行って、旅館側に多めの心付けを渡したことをきっかけに彼女と大ゲンカになり、別れを告げて先に帰ってきたという話を投稿。さまざまな意見が寄せられましたが、多くは「弟さんは悪くない」というコメントでした。それはそれとして「心付けという文化を知りませんでした」という声もちらほら。

「心付け」の是非や自分が渡すかどうかはさておき、そもそも「知らない」という人が少なくない気配なのは、けっこう衝撃的です。もちろん、知らないままでも人生においてとくに差支えはありません。しかし、知ったり実践したりすることで、さまざまな楽しさや快感を味わえます。「心付け」の効能に、あらためてスポットを当ててみましょう。

「心付け」を渡すチャンスがあるのは、日本旅館に泊まったとき、引っ越し業者さんを頼んだとき、家を建てたりリフォームしたりしたとき……などでしょうか。タクシーで重い荷物を積み下ろししてもらったり、路地の奥の奥まで入ってもらったりしたときに、お釣りの端数を「けっこうです」と断わるのも、広い意味では「心付け」の一種ですね。冠婚葬祭にまつわる場面での「心付け」は、またちょっと意味が違うかも。

 強調したいのは「心付けは『義務』ではなく『権利』である」ということ。渡さなくても、マナー違反なんてことはぜんぜんありません。誰にも責められないし、罪悪感を覚える必要もありません。だからこそ、わざわざ渡すことで、こちらの「心」を伝えることができて、渡したほうも渡されたほうも幸せな気持ちになれます。「渡す意味がわからない。もったいないだけ」と思うなら、渡さないほうがいいでしょう。別の意味でもったいない話ですけど、それはそれぞれの考え方です。

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
鶴保庸介氏の失言は和歌山選挙区の自民党候補・二階伸康氏にも逆風か
「二階一族を全滅させる戦い」との声も…鶴保庸介氏「運がいいことに能登で地震」発言も攻撃材料になる和歌山選挙区「一族郎党、根こそぎ潰す」戦国時代のような様相に
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト