ライフ

前立腺肥大の治療薬 副次効果期待で心疾患を防げる薬もある

前立腺肥大の薬について医師が解説

 健康診断や人間ドックの結果が出るたびに、どんな薬を飲んでいるかの会話に花が咲く。「なんだ、お前もあの薬を飲んでいるのか」と妙に安心してしまうことも少なくない。だが、多くの人が服用している有名薬だからといって、それがあなたに合っているとは限らない。

 例えば、前立腺肥大症は、肥大した前立腺が尿道を圧迫し、排尿障害や頻尿などの症状が出る。40代から始まり、60代では約半数にみられる。この治療薬で最も処方量が多いのは、「α1遮断薬」の「ユリーフ」だ。

 しかしここ数年、2014年に登場したあるタイプの薬が注目を集めている。川崎医科大学附属病院の永井敦医師(泌尿器科)が指摘する。

「『ザルティア』という『PDE5阻害薬』です。もともとはED治療薬として使われていましたが、低用量を連日投与すると前立腺肥大症による排尿障害を緩和させることが判明しました」

 それらのほかにも、様々な「効果」があるという。

「この薬には、傷ついた血管を修復する作用があることもわかっています。動脈硬化を防ぎ、心血管疾患の予防が期待できる。

 以前は『α1遮断薬』を処方することが多かったのですが、前立腺肥大に対する効果は『PDE5阻害薬』も大きく変わらないので、“副次効果”を期待して処方することが増えました」(永井医師)

※週刊ポスト2019年6月7日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《女優・遠野なぎこのマンションで遺体発見》近隣住民は「強烈な消毒液の匂いが漂ってきた」「ポストが郵便物でパンパンで」…関係者は「本人と連絡が取れていない」
NEWSポストセブン
盟友である鈴木容疑者(左・時事通信)への想いを語ったマツコ
《オンカジ賭博で逮捕のフジ・鈴木容疑者》「善貴は本当の大バカ者よ」マツコ・デラックスが語った“盟友への想い”「借金返済できたと思ってた…」
NEWSポストセブン
フリー転身を発表した遠野なぎこ(本人instagramより)
「救急車と消防車、警官が来ていた…」遠野なぎこ、SNSが更新ストップでファンが心配「ポストが郵便物でパンパンに」自宅マンションで起きていた“異変”
NEWSポストセブン
モンゴルを訪問される予定の雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、「灼熱のモンゴル8日間」断行のご覚悟 主治医とともに18年ぶりの雪辱、現地では角界のヒーローたちがお出迎えか 
女性セブン
米田
《チューハイ2本を万引きで逮捕された球界“レジェンド”が独占告白》「スリルがあったね」「棚に返せなかった…」米田哲也氏が明かした当日の心境
週刊ポスト
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(左/Xより)
「『逃げも隠れもしない』と話しています」地元・伊東市で動揺広がる“学歴詐称疑惑” 田久保真紀市長は支援者に“謝罪行脚”か《問い合わせ200件超で市役所パンク》
NEWSポストセブン
佐々木希と渡部建
《六本木ヒルズ・多目的トイレ5年後の現在》佐々木希が覚悟の不倫振り返り…“復活”目前の渡部建が世間を震撼させた“現場”の動線
NEWSポストセブン
東川千愛礼(ちあら・19)さんの知人らからあがる悲しみの声。安藤陸人容疑者(20)の動機はまだわからないままだ
「『20歳になったらまた会おうね』って約束したのに…」“活発で愛される女性”だった東川千愛礼さんの“変わらぬ人物像”と安藤陸人容疑者の「異変」《豊田市19歳女性殺害》
NEWSポストセブン
児童盗撮で逮捕された森山勇二容疑者(左)と小瀬村史也容疑者(右)
《児童盗撮で逮捕された教師グループ》虚飾の仮面に隠された素顔「両親は教師の真面目な一家」「主犯格は大地主の名家に婿養子」
女性セブン
組織が割れかねない“内紛”の火種(八角理事長)
《白鵬が去って「一強体制」と思いきや…》八角理事長にまさかの落選危機 定年延長案に相撲協会内で反発広がり、理事長選で“クーデター”も
週刊ポスト
たつき諒著『私が見た未来 完全版』と角氏
《7月5日大災害説に気象庁もデマ認定》太陽フレア最大化、ポピ族の隕石予言まで…オカルト研究家が強調する“その日”の冷静な過ごし方「ぜひ、予言が外れる選択肢を残してほしい」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で、あられもない姿をする女性インフルエンサーが現れた(Xより)
《万博会場で赤い下着で迷惑行為か》「セクシーポーズのカンガルー、発見っ」女性インフルエンサーの行為が世界中に発信 協会は「投稿を認識していない」
NEWSポストセブン