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森保ジャパンの強みと弱み キーワードは「積極性」

『アナリシス・アイ』を上梓したらいかーると氏が森保ジャパンを分析(時事通信フォト)

『アナリシス・アイ』を上梓したらいかーると氏が森保ジャパンを分析(時事通信フォト)

 さらに、「積極性」が裏目に出た試合が、森保ジャパンのもう一つの敗戦であるアジアカップ決勝のカタール戦だと、らいかーると氏は語る。

「日本は守備の際、基本的にボール保持者へプレッシングをかけます。後ろの選手たちの準備が完了済みで相手を捕まえられていれば、カタールからボールを奪い、カウンターをすることができていました。しかし日本の1列目の選手は、特に前半において、後ろの選手たちの準備が完了するのを待たずにプレッシングをかけてしまう場面が目立っていました。ボール保持者へのプレッシングは、相手の攻撃のスイッチを入れることにも繋がる、という点は重要です。相手がボールを奪いに来れば、ボール保持者は必ずなんらかのアクションをしなければならないからです。

 相手のフォーメーションに対して、どのように自分たちを配置するかを定めて守備の基準点をはっきりさせることなく、相手に攻撃のスイッチを入れさせてしまうことは、悪手としかいいようがありません」

 結果、前線からのプレッシングが上手くはまらず、前半に日本は2失点し、最終的にアジアカップを逃す形になった。

 コパ・アメリカにおいては、日本の強みでもあり弱みでもある「積極性」がどのように発揮されるかが注目ポイントだと、氏は語る。

「堂安、南野、中島といった選手の個性に対する依存度が高いので、その中では中島しかいないコパ・アメリカで、どのようなプレーを日本代表が見せてくれるかは非常に興味深いところです。積極性を存分に発揮させるのか、それとも、突破のドリブルを得意としていない選手たちにボールを持たせるのかどうか。

 また、コロンビア戦で改善が見られはしましたが、最初にプレッシングのスイッチとなる選手と周りの連動性、そもそものプレッシングをかけ始めるラインの設定などは、今後も注目すべき点でしょう。特に南米の選手はボールを奪われないことに長けている選手が多いので、どのようにボールを奪い返せるか、ファウルばかりにならないか、という点は気になります」

 18歳の久保健英など、若い選手が多く招集されたコパ・アメリカの日本代表。ブラジルの地でどのような戦いを見せるのか、目が離せない。

【プロフィール】らいかーると/1982年、浦和出身。とあるサッカーチームの監督。サッカー戦術分析ブログ『サッカーの面白い戦術分析を心がけます』主宰。海外サッカー、Jリーグ、日本代表戦など幅広い試合を取り上げ、ユニークな語り口で試合を分析する人気ブロガー。サッカーライターとは違う「戦術クラスタ」の最古参であり、「footballista」や「Goal.com」などに寄稿多数。5月31日発売の『アナリシス・アイ サッカーの面白い戦術分析の方法、教えます』が初の著書となる。Twitter:@qwertyuiiopasd ブログ:http://building-up.com/

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