中国の最高指導者、習近平国家主席はこのほど、ごみ分別作業に関する重要指示を発表した。内容は、「ごみ分別の実行は多くの一般大衆の生活環境と資源の節約に関わり、社会文明レベルの重要な体現でもある」というものだったが、ネット上では「中国のトップがゴミ分別という主婦がするようなことに口出ししてちゃんちゃらおかしい。習主席は以前にも食物の食べ残し禁止なども重要指示として出しているが、もっと米中貿易戦争の解決などの『重要問題』に真剣に取り組むべきだ」など疑問の声が出ている。
中国国営新華社通信によると、習氏は重要指示のなかで、ごみ分別について「科学的管理を強化し、長期的に有効なメカニズムを形成し、習慣の育成を促進することがそのカギとなる」などと極めて大真面目に論じている。
実は、中国の最高指導部がごみ分別について論じたのは初めてではない。2017年3月、年に1回の重要会議である全国人民代表大会(全人代=国会に相当)の冒頭の中国の最重要政策を提案する李克強首相の「政府活動報告」のなかで、「習近平中国共産党総書記の核心の地位の明確化」「『香港独立』に前途はない」などとともに、「ごみの分別処理制度を普及させる」ことが重要課題として言及されていたのだ。全人代でごみ問題がとり上げられるのは初めてだっただけに、中国にとって「ごみ分別」は極めて深刻ということが分かる。
このため、習氏は「ごみ分別を進める上で、教育・指導を幅広く展開し、多くの一般大衆にごみ分別実施の重要性と必要性を認識させ、効果的な奨励・指導を通じて、より多くの人に行動を起こさせ、ごみ分別という良い習慣を育成し、社会全体の一人ひとりが着手し、生活環境改善のために共に努力し、グリーンな発展と持続可能な発展のために共に貢献していく」と一般庶民にも分かるように、噛んで含めるように指摘している。