芸能

高田文夫が振り返る「伝説の雑誌編集長」と「カントク」

昭和の名物男たちを語る

 放送作家、タレント、演芸評論家で立川流の「立川藤志楼」として高座にもあがる高田文夫が『週刊ポスト』で連載するエッセイ「笑刊ポスト」。今回は、伝説の雑誌編集長とカントク、昭和の“2大エロ番長”についてお届けする。

 * * *
 かの名人・三遊亭圓生が詠んだ句に“今はただ小便だけの道具かな”。トホホ。『週刊ポスト』の読者達はもうこんな感じになっちゃってるんじゃないの。思うに近頃は巷にエロが枯渇している。昭和の頃は町を歩けば「トルコ」「ロマンポルノ」の文字や文字。昭和には隠微にあったあのいかがわしさが失せて嫌な事件ばかりが起き出した。それでもまだ当ポストはムクムクさせがちだから活字文化を守り通しているとさえ言える。

 そんな時、嬉しい本にめぐり逢えた。『週刊朝日』なるポストよりは少し硬めの雑誌の人で小泉信一が出版した『裏昭和史探検』である。新聞の方でもこの人の記名の記事はつい読んでしまう。「夜の街をたどって」の章を見るだけで胸と股間にあついものが走ります。「額縁ショー」(戦後のエロ界はすべてここからがスタートです)「トルコ」「愛人バンク」「ヨコハマメリー」「キャバレー太郎」「ストリッパー」「流し」「カストリ雑誌」「ブルーフィルム」「赤線」「ピンク看板」「のぞき部屋」「テレクラ」「ビニール本」「キャバクラ」「アダルトビデオ」まだまだこれでもかと足を運ぶ記者魂。

 小泉は書く。“これからも「論」ではなく「情」で記事を書きたい”。これには私も異議はない。私なぞ“「論」より「焼香」”でモノを書くタイプだ。人を送っては、情ばかりのエッセイを書いている。

 著者たっての希望で、本の中では昭和のエロといえばこの人、伝説の雑誌とも言われる『写真時代』などの編集長を務めた末井昭と対談をし、取り締まり当局とのやりとりなどを語っている。

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