ビジネス

ありそうでなかったペットボトルに名札タグ、商品開発秘話

シャチハタの『オピニ わたしの物タグ』

 女性ならではの視点で文具の開発を行うシヤチハタの「オピニ」シリーズから、ペットボトルなどに簡単に名札がつけられるタグ型メモ『わたしの物タグ』(カラーはホワイト、ピンク、クリームの全3色。62×107mm、枚数50枚。486円)が発売された。

 ありそうでなかったこの商品、どんなところが画期的なのだろうか。開発担当者に話を聞いた。

 職場などで、自分の飲み物を共有の冷蔵庫に保管する際、記名することになっている会社が多い。また、ルールはなくとも、どれが自分の物なのか判別できるように名前を書いてから保管するという人もいるだろう。そんな時に活躍するのが、『わたしの物タグ』だ。

 同商品は、シヤチハタの女性社員チームが開発を行う「オピニ」シリーズの1つ。オピニのコンセプトは、文具にまつわる女性の不満や要望に向き合い、仕事のモチベーションをアップすること。

 これまでも、味気ないデザインになりがちな“事務事務しい”文具を、女性ならではの視点で使いやすくできるように、2004年から開発を続けてきた。

 アイディアの構想は2017年から。「ペットボトルなど、付箋が剥がれやすい物に自分の名前をつけられるものがほしい」という開発チームの声がきっかけだった。ターゲットとなる20~30代の女性に調査を行ったところ、需要を見込めることがわかり、2018年に本格的に開発がスタート。開発チームには、女性に任されがちな冷蔵庫の管理という“見えない仕事”の負担を減らしたいという思いもあった。

 当初参考にしたのは、ポン酢などの瓶入り調味料のネック部分についている販促POP。

 当初は、メモの形は瓶入り調味料のPOPの形を取り入れたドーナツ形だったが、使用できるものが限られてしまうことが問題だった。決まったサイズのペットボトル以外にも、飲み口が広いボトル缶、さらにはお弁当やお菓子のパッケージなどにも使えるよう用途を広げる必要があった。

 そこで、サイズアップして穴に切り込みを入れ、細口のペットボトルから太口のボトル缶まで使用できるように対応。また、メモ部を折り込むことで、メモとして使用する時に目隠しができるようになっている。

 今年4月に発売されると、SNSを中心に関心が集まった。冷蔵庫内の保管管理上の不満について共感を得られたからだ。

「会議でボトル入りの飲み物を出す際は席次表の代わりにもなるので、汎用性の高さからも注目が集まったのだと思います」と、開発担当者は語る。

 また、初対面の人が顔を合わせることのある趣味の集まりで、名札代わりに使う人もいるという。たしかに、飲み物に名前がついていたり、イラストが描いてあったりするとコミュニケーションがスムーズになりやすい。

 冷たいものが飲みたくなるこれからの季節、オフィスの冷蔵庫などで活躍するのでは。

※女性セブン2019年7月11日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ブラジルにある大学の法学部に通うアナ・パウラ・ヴェローゾ・フェルナンデス(Xより)
《ブラジルが震撼した女子大生シリアルキラー》サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、煮込み料理、ミルクシェーク…5か月で4人を毒殺した狡猾な手口、殺人依頼の隠語は“卒業論文”
NEWSポストセブン
9月6日に成年式を迎え、成年皇族としての公務を本格的に開始した秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
スマッシュ「球速200キロ超え」も!? 悠仁さまと同じバドミントンサークルの学生が「球が速くなっていて驚いた」と証言
週刊ポスト
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン