帝京大学医学部教授、同大附属病院高度救命救急センター長の三宅康史さん
「まず室温と湿度を下げること。温度はいうまでもなく、湿度が高いと汗が乾かず、気化熱による冷却が効かないからです。環境省が“室温28℃、湿度70%”という数値を掲げていますが、これは体を冷やしすぎず、環境や節電効果も見越して推奨している目安です。
本来は個々にちょうどいい温度を見つけるのが理想。室温が低すぎれば室内外の温度差が大きくなり体に負担がかかり、また寒くてエアコンを消してしまっては元も子もありません。28℃以下を目安に暑からず寒からずの温度を測り、数値で覚えましょう。温湿度計を設置し、目で見て確認することも大切です」
エアコンの冷気は低位置にたまりやすいので、扇風機などの風で攪拌し、室温を均一にすることも重要だという。
「熱帯夜が続く時期などは、エアコンを止めて就寝中に熱中症になるケースも続出しています。つけたり消したりすることによる温度差も負担になりますから、心地よい温度が均一に行き渡るようエアコンや扇風機を工夫。厳しい暑さの時期だけでも部屋で過ごす間はつけっぱなしにすることがおすすめです」
【Profile】三宅康史さん●東京医科歯科大学医学部卒。帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター長、日本救急医学会評議員・専門医・指導医。熱中症に関する委員会前委員長、環境省「熱中症予防声かけプロジェクト」実行委員長も務める。
※女性セブン2019年7月25日号