「韓国の新産業分野における研究開発の必須素材や部品の多くが日本産です。例えば、韓国政府が推進する水素自動車は、東レと三菱レイヨンが世界1、2位のシェアを占める炭素繊維なしでは実現不可能とされます。
同じくこれから市場の成長が著しいとされるロボット分野においても、関節の役割を果たす核心部品は、日本企業のハーモニック・ドライブ・システムズが事実上独占している。これらの部品の多くは軍事転用が可能であり、規制対象になり得ます」
2018年の日本から韓国への輸出は約5兆8000億円。内訳は輸出管理が強化された3品目を含む化学製品が23.5%とトップで、一般機械が22.6%を占める。ホワイト国除外によって広範な輸出規制が可能になるため、日本は今後、金属加工機や車のエンジンなどに使われる原動機、電子計算機などの一般機械を対韓輸出のターゲットにする可能性もある。
韓国政府はホワイト国除外にも反発するが、そもそもアジアの中で日本がホワイト国と認めたのは韓国のみ。これまでの「特別扱い」を普通の待遇に戻すだけの措置であり、国際社会の批判には当たらない。
今回の措置は、韓国経済がいかに日本に依存しているかという実態を改めて浮かび上がらせた。
「過去に東日本大震災や熊本地震で日本製品のサプライチェーンが寸断された際は、ヒュンダイや双竜自動車、韓国GMの自動車の部品や、サムスンやLGのスマホに使用されていたソニーのカメラ部品などの不足が心配されました。最近は各社ともリスクヘッジのため日本以外の部品調達先を見つけようとしていますが、細かな部品や技術は今も日本からの輸入に頼っています」(韓国人ジャーナリスト)
※週刊ポスト2019年8月2日号