当初は、隠しカメラ騒動は、この玉泰飯店だけの被害で収まったと思われたのだが、事件は意外な方向に展開する。
このホテルの35歳の男性マネージャーがこの事件について、地元テレビ局の取材を受けた際、「実は被害は私のホテルだけではない。ほかのホテルも調べてみれば、どんどん隠しカメラが出てくるはずだ。鄭州市内のホテルの80%には、隠しカメラが仕掛けられているのだから」と発言したのだ。
その後、逮捕された男は警察の調べで「他のホテルにも隠しカメラを仕掛けた」などと供述した。
2人の発言は視聴者の大きな反響を呼び、地元警察も捜査せざるを得なくなり、調べてみると、数カ所のホテルから隠しカメラが発見されたというが、このマネージャーが主張するように「市内の80%」のホテルからは隠しカメラは発見されなかった。警察はこのマネージャーを「社会秩序を混乱させるようなデマを振りまいた」などとして、10日間の身柄拘留の処分を科したという。
このマネージャーは「私がテレビで発言したことで、他のホテルは大急ぎで部屋を検査して、隠しカメラを取り外したのだ」と主張しており、真偽のほどはやぶの中と言えそうだ。
ただ、広東省の地方紙『南方都市報』によると、同省の深セン市のほか、広州市などのホテルでも、隠しカメラが見つかったと報じたほか、北京や上海の3つ星以下のホテルでも盗撮騒ぎは起きていると伝えられている。