とまあ以上のような流れを、著者は各時代の記録とともに、さぐっていく。そして、ほりあてたのである。「婚活」という言葉が語られるより二十年以上前から、事実上の婚活状況はできていたことを。身辺で仲人役をひきうける人が、そのころから後景へしりぞきだしたということか。
資料には、古い女性雑誌が活用されている。『クロワッサン』は、結婚に背をむけた。いっぽう、『結婚潮流』は、あられもなくそれをあおっている。『Hanako』や『an・an』、そして『ゼクシィ』はどう対処したか。ネット以前の雑誌文化史が回想できたことも、私にはうれしかった。
※週刊ポスト2019年8月30日号