国際情報

大富豪が香港全紙に出した総額2.1億円意見広告を巡る憶測

大富豪の意図は?

 香港の大富豪で世界の華人のなかでもトップクラスの資産を持つ李嘉誠氏が、デモにより混乱が続く香港の状況について、香港の日刊紙全紙に広告を出した。広告には『中国を愛し、香港を愛し、自身を愛せ』などと大書した全面広告を出し、「愛で怒りを鎮めよ」、「暴力をやめよ」と強く訴えた。

 香港では「逃亡犯引き渡し条例」の改正案をめぐって、6月からデモ隊と警官隊が激しく衝突しており、事態をおさめるために中国人民武装警察部隊(武警)や人民解放軍の投入も噂されている。そのようなタイミングでの李嘉誠氏の全面広告は、同氏の憂国と愛国の情を前面に出そうとしたものとみられるが、ある識者は「李嘉誠氏は最近、中国政府と距離を置き、民主派と通じているとの見方も出ており、この全面広告は中国からの圧力をかわす狙いがあるのではないか」との見方を示している。

 李氏は昨年5月、長江和記実業(CKハチソン・ホールディングス)会長をビクター・リー(李沢鉅)氏に譲り、引退生活に送っている。広告には「香港市民 李嘉誠」とだけ記されている。

 香港の識者の間では「もはや隠遁生活に入っている李嘉誠氏がわざわざ香港紙全紙に大金をかけて広告を出す必要があるのか」、あるいは「表に出ないで事態を静観していればよいのではないのか」などの疑問が広がっている。

 なぜならば、全面広告は部数が少ない新聞でも30万香港ドル(約400万円)は下らないとされる。香港で最大の部数を誇る香港紙『蘋果(リンゴ)日報』や『東方日報』の場合、600万香港ドル(約8000万円)といわれる。李氏は今回、15紙に広告を出しており、少なくとも日本円で2億1200万円もの広告費を払ったことになる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
真剣交際していることがわかった斉藤ちはると姫野和樹(各写真は本人のインスタグラムより)
《匂わせインスタ連続投稿》テレ朝・斎藤ちはるアナ、“姫野和樹となら世間に知られてもいい”の真剣愛「彼のレクサス運転」「お揃いヴィトンのブレスレット」
NEWSポストセブン
破局した大倉忠義と広瀬アリス
《スクープ》広瀬アリスと大倉忠義が破局!2年交際も「仕事が順調すぎて」すれ違い、アリスはすでに引っ越し
女性セブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
大谷の妻・真美子さん(写真:西村尚己/アフロスポーツ)と水原一平容疑者(時事通信)
《水原一平ショックの影響》大谷翔平 真美子さんのポニーテール観戦で見えた「私も一緒に戦うという覚悟」と夫婦の結束
NEWSポストセブン